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AIが従業員半数ぶんの仕事をできちゃうから?

モバイル決済企業Block(旧社名Square)のCEO、ジャック・ドーシーが、「インテリジェンスツール」が新しい働き方を生み出しているため、大規模なリストラを実施すると発表しました。また、他の企業も近いうちに同様の動きに出る可能性があると述べています。

ドーシーはXで、従業員に宛てたメモを公開。そこには、SquareやCash Appを手がけるBlockが、現在の従業員約10,000人を6,000人に削減すると書かれています。ということは、4,000人以上が解雇されることになりそうです。

財務は好調でも大規模リストラ

ドーシーは、この決断は会社の財務状況とは無関係だと説明。むしろ、粗利益も顧客基盤も成長しているとのこと。その上で、Blockはインテリジェンスツールのおかげでより小さく、フラットなチームでの運営が実現できるようになったと説明しました。

大規模な解雇ですが、Blockでは従業員の約半数の仕事をAIで代替できると見込んだってことになりますね。

ただ、実際には、AIへの投資から大きな生産性向上が得られたという実感はまだ少ないと、多くの経営幹部が回答している調査結果もあるんです。

段階的な削減より、今すぐ

ドーシーはまた、こうした削減を数ヶ月から数年にわたって段階的に進める方法もあったけれど、今の状況を正直に見つめて、今すぐ行動することを選んだと述べています。何度も解雇を繰り返すことで、モラル、集中力、そして信頼を蝕んでしまうからというのが理由とのこと。

今回の削減は、ここ数年でテック企業の多くが行ってきたレイオフの流れと同じもの。今年だけでも、Pinterest、Vimeo、Amazonが削減を発表。これらの企業は、無駄な階層や縦割り構造をなくし、より小さく、より動きやすい組織にする必要があるという理由を掲げています。

Amazonは今年1月だけで約16,000人を解雇しましたが、昨年10月にも14,000人を削減しています。

当時のブログ投稿で、AmazonのPeople Experience and Technology部署のプレジデントであるBeth Galetti氏は、繰り返されるレイオフで引き起こされる問題を挙げていましたが、その内容は今回ドーシーが言及したのと似たものでした。Galetti氏は、解雇について以下のように述べています。

数ヶ月ごとに大規模な削減があるのが、これからのルーティンになるのか?と聞く人もいるかもしれません。そういったつもりはありません。ただ、これまでもそうしてきたように、各チームが引き続き、顧客のためのオーナーシップ・スピード・開発力を評価し、必要に応じて調整を加えていくことになります。

ほとんどの企業が同じ道へ?

ドーシーは、これから多くの企業が近く自分と同じような率直なアプローチを取るようになると予測しています。

ドーシーは株主へのレターで、「来年中に、大多数の企業が同じ結論に達し、同様の構造改革に踏み切ると思います。自分たちの意志で、正直にそこへたどり着きたい。じゃないと、後手に回って無理やりやらされることになってしまいますから」と説明しています。

また、別のXへの投稿では、パンデミック後に採用を増やしすぎたことは認めつつも、今回のレイオフにおけるその影響は小さいと述べ、Blockは今やパンデミック前よりも効率的になっていると主張しています。

とはいえ、企業がパンデミック期の大量採用の余波にまだ対応し続けているとすれば、現在のAIによる人員削減ブームが同じような反動を生むかどうかは、まだ誰にも分からないところです。

今回のBlockでの人員削減は、OpenAIのサム・アルトマンが「AIウォッシング」の波、つまりAIとは全く無関係のレイオフをAIのせいにする動きが来ると述べてから、わずか数週間後のことでした。

もちろん、AIに対する世論が急速に厳しくなっていることをCEOたちも認め始めていますし、データセンターの建設はアメリカの選挙戦における主要な政治的争点にもなっています。

そのため、アルトマン自身にも雇用喪失への批判の矛先をかわしたいという気持ちがあるのかもしれないですね。

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