一時2点差も「いちいち動揺する必要ない」王者・鹿島が逆転勝利! 同点弾の鈴木優磨「普通に今日は勝てるなと感じていた」
ここまで3試合アウェイで戦ってきた浦和にとって、この日は待望のホーム開幕戦。埼玉スタジアムに5万2841人もの大観衆が集結する中での大一番となった。
「結構、個で一瞬という形とセットプレーでやられたので、そんなに自分たちが慌てる必要はないという話をしてました。普通に行けば、こっちが1点取ったら相手の応援も相手チームにもプレッシャーに感じるだろうなと。1点取っちゃえばポンポンと行ける感覚もありました」と鈴木優磨は毅然と話す。「最近のチームは失点しても全然慌てない。みんなでやることが明確なんで、いちいち動揺する必要もない。自分たちが崩れなければ、相手が崩れると思っていた」とも強調。9年ぶりにJ1王者を奪還した自信が、鹿島を力強く支えているのだろう。
粘り強く立て直し、ペースを取り戻した鹿島。そして前半40分の右CKから浦和の関根貴大がハンド。VAR判定の結果、PKが与えられ、これをエースFWレオ・セアラが確実にゴール。1−2で前半を折り返すことに成功したのだ。
そうなると後半は鹿島が一気にギアを上げていくはず。風上に立った鹿島は一気に攻め込み、ゴールに迫っていった。迎えた後半10分の右CK。キッカーの樋口雄太は「風もありましたし、球速のところで思い切り速いボールは難しいかなと感じたので、いい塩梅で蹴ることを心がけました」と高度な技術を駆使したことを明かす。
仲間の工夫にしっかりと呼応したのが、鈴木優磨だった。フラフラと後方に位置しつつ、ボールが上がってきた瞬間に勢いを持って前進。柴戸海や根本健太を振り切ってドーンと頭で合わせて、今季初ゴール。2−2の同点に追いついたのである。
「相手はゾーンとマンツーの併用だったんで、前半からフリーだった。自分はあそこを狙っていたんで、本当に雄太からいいボールが来て、当てるだけでした。スカスカだったんで、正直、向こうが。だから絶対に点を取れると思っていたし、普通に今日は勝てるなと感じていたんで」と背番号40は自信たっぷりにコメント。ここ一番の勝負強さをライバル相手に見せつけたのだ。
完全アウェイの状況で序盤から劣勢に立たされれば、メンタル的に追い込まれても不思議はない。だが、この日の鹿島はそういう脆さを一切、感じさせなかった。鈴木優磨も「やっていて逆転できる、最低でも同点までは絶対にいけると感じていた」と語気を強めたが、そのしぶとさと粘り強さがこの2点目に凝縮されていたと言っても過言ではない。背番号40はかつての小笠原満男同様に、ここ一番で本当に頼りになる男だ。それを鬼木達監督もチームメートもサポーターも再認識したのではないか。
追いついた鹿島としては、この流れを生かして絶対に勝ち切りたかった。鬼木監督はチャヴリッチや柴崎岳、田川亨介ら持てるカードを次々と投入。その采配がズバリ的中し、後半終了間際に柴崎の左CKからチャヴリッチが3点目をゲット。見事な逆転勝利を手中にしたのだ。3得点が全てセットプレーというのが、いかにも鹿島らしいところ。そのディテールにこだわり続けているからこそ、常勝軍団として長い長い歴史を紡ぐことができたのだろう。

