大逆転勝利で勢いに乗るSTVVがベルギー席巻! 20歳日本人FWは「魂です。あれを決めるかどうかで変わる」と今季10点目の千金弾【現地発】
開始30秒にGK小久保玲央ブライアンがビッグセーブを披露したのも束の間、18分、25分と続けてSTVVは失点を喫してしまう。当時の心境を「2点先行されてしまい『ヤバいな』という嫌な感じでした」と振り返る。しかし前半アディショナルタイム1分、FW後藤啓介が自身が倒されて得たPKを決めて1−2にし、しかも相手CBが退場処分を受けたことでSTVVは息を吹き返した。
その5分後、CKの混戦から左SBユクレラーが蹴り込んで、2−2で前半を終えた。
「前半のうちにセットプレーで追いつけたのは非常に大きかった。セットプレーで取れるチームは本当に強い。STVVはそういうチームになってきている」(谷口)
85分にDFムベ・ソーが奪った決勝ゴールも、CKから決まったもの。3ゴールすべてをセットプレーで取ったSTVVは3−2で雪上の戦いを制した。
反撃弾を決めた後、観客を煽るようなゴールセレブレーションでスタジアムの雰囲気を一変させた後藤は、「戦術どうこうではなく、全員が魂で闘った。自分の得点のことは忘れたいですね。そのくらい嬉しい勝利でした」と喜んだ。
自身のゴール、そしてチームの戦いぶり。後藤にとって、この日のキーワードは“魂”だった。しかし、相手CBのファウルを誘ったシーンと、後半披露した安定したプレーは、研究の賜物だった。
「いつも試合2日前から相手チームのハイライトを全部見て、相手センターバックがどういうタイプか、把握してきた。今日のセンターバックは研究で『背負えば自分のボールになる』と分かっていたので、うまく背負えてマイボールにできていたと思います」(後藤)
レギュラーシーズン5節を残し、勝点51のSTVVは早くもプレーオフ1進出を決めた。首位ユニオン・サン=ジロワーズとの差は2ポイント。3位クラブ・ブルージュとの差は1ポイントしかない。4位アンデルレヒト(勝点37)を大きく離した先頭集団が、三つ巴の優勝争いを繰り広げている。
「『プレーオフ1進出が決まったからオッケー』という、もったいないことはしたくない。レギュラーシーズンの最終戦はユニオンとホームとやるので、そこでひっくり返せる位置に絶対にいないといけない。そのためには残り5試合、キチンと勝点を積み重ねていきたい。常に上を見ながら闘っていきたいと思います」(谷口)
チームを代表して主将の谷口にもう少し語ってもらおう。勝てば首位に立つはずだったシャルルロワ戦を不可解な判定もあって0対2で負けたSTVVは、その後、ウェステルローを4対0で下し、この日は2点のビハインドを負っても気落ちすることなく大逆転勝利を収めた。この一連の流れは、STVVが強いチームであることの証明では?
「いやあ、強いチームなら0対2っていうスタートはしないかな。そう思いながらも0−2になっても、『この(悪天候の)中でどうやって戦ったらいいんだろう』ということを模索してながらやり続けてPKを奪って1点返し、あれでもう1回火が付いた。そしてハーフタイムに(フランケン)監督が『後半、もう1回ギアを上げて闘うぞ』と言ったようにゲームに入ることができた。だから、前半のうちに1点返せたのは非常に大きかったです」
