終了間際に上田の同点弾をアシストした伊東。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

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[国際親善試合]日本 2−2 パラグアイ/10月10日/パナソニックスタジアム吹田

 森保一監督が率いる日本代表は10月10日、北中米ワールドカップの南米予選を突破したパラグアイとホームで対戦。小川航基と上田綺世の得点で2度追いつき、2−2で引き分けた。

 この一戦で印象的なシーンがあった。1−1で迎えた前半アディショナルタイムだ。

 ゴール前の右サイドで堂安律が倒され、FKを獲得。キッカーは伊東純也で、壁には以前プレミアリーグで大活躍し、この日先制点を奪った逸材、ミゲル・アルミロンが立った。

 すると、アルミロンは主審がバニシングスプレーで引いた線を無視して前進。規定の9.15メートルよりも近付いたため、主審から注意を受け、一度は下がったものの、その後に再び前へ。そして伊東がボールを蹴るタイミングでぐっと近付き、画面を通してでは分かりづらいのだが、ラインを相当オーバーしていた。
 
「めっちゃ前に出てる!」

 記者席の後ろの方からは、思わずそんな声が飛んだほどだ。

 結局、ボールはアルミロンの身体すれすれを通過。さぞかし蹴りづらかっただろう。これもマリーシアと呼ばれる、ずる賢さの類なのだろうか。

 そんな考えを巡らせながら、試合後の取材時、伊東に「蹴りづらくはなかったですか?」と訊いてみたところ、まさかの答えが返ってきた。

「気にしてなかった。気付いてもなかったです」

 続けて、「ずる賢さみたいなものは感じましたか?」と尋ねても、土壇場で上田の同点弾をアシストした32歳は「今日は特に感じなかったです」とけろり。

 さすが――その言葉からも、イナズマ純也の圧倒的な頼もしさを感じた。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

【動画】壁の位置がおかしい…ただ全く気にしない伊東純也