SNS切り抜き旋風で14議席　高須幹弥が語る参政党“バズ”戦略の核心

美容外科医の高須幹弥氏が、自身のYouTubeチャンネルで参議院選挙における参政党の大躍進について独自の分析を展開した。動画のタイトルは「参議院選挙で参政党が大躍進した要因を分析しました！」。高須氏は、参政党が選挙区と比例代表で計14議席を獲得した背景には、従来の政党にはない明確な戦略と、国民の潜在的な不満を捉えたメッセージがあったと指摘している。

高須氏は、参政党躍進の最大要因として「SNS戦略」を挙げた。特に神谷宗幣代表の演説について、「小さな声で語るだけでなく、心の底からの思いを率直に語っており、言葉が胸に響く」と評価した。さらに「日本人の心情に訴えるような内容」であり、YouTubeの切り抜き動画やTikTokなどのショート動画が、タイパ（タイムパフォーマンス）を重視する若者層にも広く浸透したと分析した。

また、高須氏は参政党が40代・50代の支持層も獲得した点に着目した。これは、消費税の減税・廃止や積極財政を訴える政策が、就職氷河期世代の共感を呼んだためだと解説している。同氏は「日本を心の底から本気で良くしようという気概」が支持者を引きつけた重要な要素でもあると述べた。

さらに、参政党の思想に共感する多くのYouTuberやインフルエンサーの存在が、票の獲得に大きく貢献したと指摘した。経済評論家の三橋貴明氏、政治評論家の及川幸久氏、歴史学者の茂木誠氏、元官僚で今回当選した松田学氏らを挙げ、「彼らが元々持っていたファン層が、大きく参政党に流れた」と分析した。彼らが政治的発言に伴うリスクを厭わず本音で語ったことが、視聴者の心をつかんだと推測する。一方で、HIKAKINのような大手YouTuberが政治的発言を避けるのは、自身の「色」がつくことやアンチが増えるリスクを考慮しているためだと、高須氏は見解を示した。

高須氏の分析で特に注目すべきは、参政党が「反グローバリズム」を掲げ、「裏で世界を操っているグローバリストや国際金融資本」が存在するという視点を共有している点である。この考え方は、既存政党の多くが語らない「ストーリー」であり、日米同盟への依存からの脱却や日本独自の国防力強化、さらには核武装の示唆といった過激とも受け取れる主張の根幹にあるという。ウクライナ情勢など世界各地で起きる紛争を、国単位の対立だけでなく「より大きな裏の勢力」が関与していると捉えるこうした視座が、国民の不安や不満に深く響いた結果だと高須氏は結論づけた。