タダで健康的に幸福になる方法はこれ…心理学者「タモリ流・ぶらぶら散歩すると驚くべき効果が出る場所」
※本稿は、内藤誼人『タモリさんに学ぶ「人生のたたみ方」』(廣済堂出版)の一部を再編集したものです。

■怒らないことが、長生きの秘訣
些細なことで、いちいち腹を立てる人がおりますが、これはあまりよくありません。
ハンガリーにあるセゲド大学のベッティナ・ピコの調査によると、怒りっぽい人ほど、肥満になりやすく、しかも心理的健康度が低くなる傾向があることが示されたからです。怒りっぽい人は、身体的にも心理的にも不健康になりやすいのです。
小さなことで目くじらを立てず、笑って許せるような人になりたいものです。
たとえスーツにお茶をかけられてしまっても、「チッ」と舌打ちをするのではなく、「アハハ、気にしなくていいですよ」と笑って言ってあげられるような人になりましょう。そのほうが長生きできます。
タモリさんはというと、テレビのスタッフや関係者に怒ることがないそうです。
(樋口毅宏 2013 『タモリ論』 新潮新書)
「腹を立てないことが長生きの秘訣」と言われることもありますが、タモリさんはそれを実践しているわけです。
■年をかさねるごとに怒らなくなる
とはいえ、どうしてもすぐに怒ってしまう人もいると思います。瞬間湯沸かし器のように、すぐにカッカしてしまう人には救いはないのでしょうか。
そんな読者に対しては、「年をとってくると、そんなに怒らなくなりますよ」と安心できるようなデータをご紹介しておきましょう。
スタンフォード大学のローラ・カーステンセンは、さまざまな年齢の184名にポケベルを渡して、一日に5回、ランダムに音を鳴らしたときの感情を記録してもらいました。ポケベルが鳴るのは午前9時から午後9時までのどこか。感情の記録は1週間つけてもらいました。
その記録を分析してみると、「怒り」や「不満」などのネガティブな感情は、年をとるたびにどんどん「減る」ということがわかりました。
大まかな傾向でいうと、60歳くらいまでは年とともに怒りを感じることが少なくなり、だいたい60歳で底をつき、それ以降はずっと底のままで横ばいになります。
現在、20代とか30代くらいで、「私はとても怒りっぽい」と思っている人でも、そのうちだんだん怒りを感じなくなりますから、安心してください。
私自身のことを振り返ってみると、若いときにはすぐにカッカしておりましたが、最近は50歳を超えて、そんなに怒ることもなくなりました。怒るのにはパワーがいりますが、年とともにそういうパワーが出なくなり、面倒くさいので怒らなくなるのですね。
些細なことで腹を立てず、笑って許せるような人を目指す
■人の幸福感を決める決定的な要素
タモリさんは、一生では使いきれないほどのお金持ちではあるものの、ほとんどお金は使いません。
(『週刊実話』 2023年3月16日号 p61)
お金を使わないのに幸せを感じることができるのかと思う人もいるでしょうが、幸福感というものは精神的な態度によるのであって、物質的な所有によるのではありません。
米国クレアモント大学院大学のミハリー・チクセントミハイは、幸福感についての研究を徹底的に調べ、お金持ちだからといって幸福感が高まるわけではなく、お金がなくとも幸せな人は幸せになれる、という結論を導いています。
チクセントミハイによりますと、人の幸福感は、自分の好きな活動に完全に没頭できるかどうか(これを「フロー体験」といいます)によって決まるそうです。
どんな活動でもいいので、「これをやっている間は、頭の中が空っぽになって余計なことは何も考えない」というものを持ちましょう。そういう活動をたくさん持つようにすれば、だれでも幸せな人生を歩むことができます。
掃除や皿洗い、あるいはアイロンがけや庭の雑草取りでもいいので、何か自分が集中できるものを見つけてください。

プラモデルを作っているときには完全に集中できるというのなら、プラモデル作りがいいストレス解消になりますし、それによって幸福感もアップします。
とにかく自分が本気になって取り組むことができ、没頭できるものが1つでも2つでもあるといいですね。
音楽も幸福感を高めるのに役立ちます。楽器の演奏をしていると、集中できますから。楽器の演奏をしながら、ほかのことを考えてしまう、ということはありません。少なくとも演奏している間は、悩み事や心配事も頭に浮かばないはずです。
「まったく何の趣味もないので、週末はただぼんやりしているだけ」という人は、要注意。何かしら自分が没頭できるものを見つけるようにしないと、人生がつまらなくなりますし、ボケてしまうリスクも高くなりますので気をつけましょう。
自分の好きな活動に没頭できるかどうかが、幸福感の鍵になる
■タモリ流・ぶらぶら散歩のすすめ
街歩きの達人のタモリさんが、ぶらぶらと街を歩きながらその街の歴史を語ったりするNHKの「ブラタモリ」という番組がありました。とんでもなく忙しいスケジュールで仕事をしているタモリさんですが、散歩は欠かさないそうです。
(『週刊大衆』 2022年10月31日号 p58)
タモリさんを見習って、読者のみなさんもぜひ散歩をしましょう。
ぶらぶらと散歩をするだけなのでお金はかかりませんし、健康にもなれますし、手軽な趣味としてオススメです。
オーストラリアにあるディーキン大学のテス・ナイトは、70歳から101歳の男女に、「あなたにとってのサクセスフル・エイジングとは?」と尋ねてみたことがあるのですが、「散歩」を挙げた人は15.85%もおりました。
なお、散歩をするときには「緑の多いところを選ぶ」ということもポイントですので、これも覚えておきましょう。
英国ヘリオット・ワット大学のピーター・アスピナルは、12名の参加者に、モバイル型の脳波測定器(EEG)を頭につけてもらい、エディンバラの3つの場所をそれぞれ25分間ずつ歩いてきてもらうという実験をしたことがあります。

散歩のコースは、ショッピング街、緑の多い小道、ビジネス街、の3つでした。
そのときの脳波を計測してみると、緑の多いところを散歩しているときに気分が高揚することがわかりました。
どうせ散歩をするのなら、緑の多い場所がオススメ。
都会でも、探してみると緑の多い場所はいくらでも見つけることができます。そういう場所を探して、のんびり散歩をしてみるのはどうでしょうか。日常のストレスなど、簡単にどこかに吹き飛んでしまいますよ。
■10分から20分だけの軽い散歩でも、気分が高揚
これまで散歩をしたことがないという人は、最初は短い距離でかまいません。時間もそんなに長くなくてけっこうです。
10分から20分だけの軽い散歩でも、気分が高揚しますし、ネガティブな感情が減少するというデータもありますので、そんなに長くやらなくても大丈夫なのです。
ただ歩くのではつまらないという人は、スマートフォンでウォーキング用のアプリをダウンロードしておくといいでしょう。ウォーキングにゲーム性が付加されて、ただ歩くよりも面白いかもしれません。
健康にもなれる気軽な趣味、散歩を習慣にする
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内藤 誼人(ないとう・よしひと)
心理学者
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。立正大学客員教授。有限会社アンギルド代表。社会心理学の知見をベースに、心理学の応用に力を注ぎ、ビジネスを中心とした実践的なアドバイスに定評がある。『心理学BEST100』(総合法令出版)、『人も自分も操れる!暗示大全』(すばる舎)、『気にしない習慣』(明日香出版社)、『人に好かれる最強の心理学』(青春出版社)など、著書多数。
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(心理学者 内藤 誼人)
