(左から)今田美桜、満島ひかり、長澤まさみ(C)日刊ゲンダイ

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 今年夏の「最も売れたビールランキング」が消費動向を伝えるデータベース会社「ウレコン」から発表された。7月1日から9月30日の“売れ筋”をまとめたものだ。

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 ビール業界は、2020年に始まったビール減税の影響もあり、売り上げは右肩上がり。メーカー各社はプロモーションに人気女優を惜しみなく起用している。

 広告関係者は「商品の顔となった人気女優が、消費者の間でどのような評価を受けているのかを知る絶好のチャンス」と今回のランキングを注視しているという。

 見事“ビールCM女優1位”に輝いたのは「キリンビール 晴れ風」で商品キャラクターを務める今田美桜(27)だ。同商品のCMにはSnow Man目黒蓮(27)、天海祐希(57)、内村光良(60)も出演している。広告代理店関係者に取材するとこの「晴れ風」の最大の強みは、約28億円を稼ぎ出した23年公開の映画「わたしの幸せな結婚」(東宝)で共演した今田と目黒の再タッグだという。

「『わた婚』の夢のような共演を再びCMで見たかった20歳代から30歳代前半の女性たちが商品の購入に大きく動いた」(同)と分析する。

 第2位は「キリン一番搾り」のキャラクターを務める満島ひかり(38)となった。

「満島さんは抜擢から異例ともいえる7年目を迎えます。キリンには、じっくりと時間をかけて、この満島さんと堤真一さん(60)のコンビを商品の顔として育て上げた自負があるようです。堤さんは1992年からキリンビールの“顔”ですからね。2人とも、よほど相性がいいのでしょうね」(広告関係者)

 この今田と満島に続いたのが、売れ筋ランキングで第10位に入った「アサヒスーパードライ生ジョッキ缶」のCMに出演中の長澤まさみ(37)だ。この商品のファンに話を聞くと、魅力は長澤の安定感と安心感だと言う。CMでは、まるで隣で長澤が一緒に飲んでいるように錯覚させる、女優としての高い演技力と親近感が、ビールの売り上げにも貢献しているのかもしれない。

 ちなみに、今回発表されたランキングと、最新の女性タレントのCM起用ランキングを比較すると面白い。「ニホンモニター」が今年7月に発表した“タレントCM起用社数ランキング”の上位は川口春奈(29)、広瀬すず(26)、吉岡里帆(31)の3人。川口は、起用社数21社と相変わらずダントツの“CM女王”ぶりを見せているが、出演している「ザ・プレミアム・モルツ<香る>エール」はベスト10ランク外だった。

 同じく「サントリー・ザ・プレミアム・モルツ」の広瀬、「クリアアサヒ」の吉岡も圏外だった。これはどう読み解いたらいいのだろうか。

■一般商品とは異なるビールCM特有の好感度

「川口さん、広瀬さん、吉岡さんが、さまざまな商品の購買意欲を高めることは間違いありません。ただ商品がビールとなると売り上げに直結するわけではないということでしょう。それぞれのビールが持つ味の好みにもよるのでしょうが、愛飲家は無意識のうちに商品キャラクターの属性にも目を向けているのかもしれません。『こんな女性と宅飲みできたら楽しいだろうな』と愛飲家の妄想を膨らませる魅力が今田さんや満島さん、長澤さんにはあるのかもしれません」(前出の広告関係者)

 もっとも、来年夏の売れ筋は今回のランキングから様変わりしているかもしれない。25歳を迎えてアルコールCMが解禁になった橋本環奈が「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」で参戦したためだ。パワハラ疑惑の行方次第だが、今年の今田、満島、長澤に続くかもしれない。

(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)