「サンガでできなければ代表でも」統率力、存在感発揮に燃える川颯太
ただ、このチームの中心選手として支えてきた山本理仁と藤田譲瑠チマのシント・トロイデンコンビはクラブの協力もあって、参戦が叶う見通しだ。屈強で大柄な選手がひしめくベルギー1部でこの1年間、自己研鑽に励んできた2人がいることは、大岩剛監督はもちろん、選手たちにとっても心強い限りだろう。
マリ戦で失点に絡んだ川にとっては、所属の京都サンガF.C.で安定感あるパフォーマンスを見せることがメンバー入りへの第一歩。3月29日の東京ヴェルディ戦は重要な一戦となった。
対戦相手には同じU−23日本代表候補の染野唯月もいる。勢いに乗る点取屋を確実に封じ、京都に2勝目をもたらすこと。それがキャプテンマークを巻く22歳のボランチに求められるタスクだった。
「前半はほぼパーフェクトな内容だった」と諜裁監督も語った通り、この日の京都はスタートから高い強度の守備と推進力ある攻めを前面に押し出した。川も持ち前のデュエルの強さを発揮。ビルドアップ時には最終ラインに下がって的確な配球を見せた。彼の頭脳的なプレーも奏功し、豊川雄太と原大智が立て続けにゴール。2−0で前半を折り返すことに成功した。
「(染野と山田剛綺の)相手2トップに対し、自分が少し落ちてスイーパーみたいな感じになって、相手の刺したボールを拾うという理想的な前半の入り方をした中で、味方が素晴らしい点を決めてくれた。攻守においてかなりいい入りの前半だと思います」と背番号7も手応えを掴んだ様子だった。
しかし、後半頭から2枚替えに打って出た東京Vが攻撃のギアを上げてきたことで、京都は脆さを露呈。福田心之助が山見大登を倒してPKを献上し、これを染野に決められ、1点差に詰め寄られた。
さらに押し込まれる中、調篤弔録彗に動き、5バックにして逃げ切りを図った。だが、後半アディショナルタイムに一瞬のスキを突かれて染野に2点目を決められてしまう。結果的には2−2のドロー。京都はギリギリのところで勝ち点2を逃す格好になった。
「自分たちは引いて守るというよりも、もう1個、圧力をかけたかった。僕自身もCBにプレッシャーをかけて蹴らせたくなかった。だけど、結果的に蹴らせてしまい、その後も構えすぎてしまった」と、川は稲見哲行にロングボールを蹴らせ、綱島悠斗に競り負けるきっかけを作ったことを大いに反省。マリ戦での屈辱を完全に払拭することができなかった。
「代表で悔しい思いをした分、ここでしっかりやっていくことが代表にもサンガにも自分にもつながると思ったので、高いモチベーションでやりました。でも自分の中では今一つだったかなと。もっとチームで存在感を出せるようにしなきゃいけないし、苦しい時に声を出すことはまだまだ足りないですね。ビビらないでボールを受けて運ぶとか、相手をつぶしきるところも、より高い意識を持たないといけない。それプラス、チームとしてやるべきこともやらないと。今日で言ったら、相手FWが競った後のセカンドボールを拾ったり、カバーリングに入ることだったとか、自分のやりたいことと両方を求めて努力しなければいけない。それを改めて感じました」と神妙な面持ちで言う。

