この記事をまとめると

■トヨタから新型クラウンが発表された

■4タイプがラインアップされ、国内では脚光を浴びた

■今回は新型クラウンに対する海外の反応について解説する

日本ではクラウンの注目度の高さが証明された

 日本中がアッと驚いた、トヨタ新型「クラウン」の様変わり。16代目となった今回、クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートの4車系が段階的に市場導入される。

 なかでも、クロスオーバーについては、一昨年あたりから一部報道で「次期クラウンはセダンを捨てて、SUVに生まれ変わる」と言われて、その真偽についてさまざまな憶測記事がネット上に広がった。

 新型「クラウン」の記者発表の際、豊田章男社長は、最初に”クラウンSUV化”を報じた新聞社に所属する記者の質問に対して「〇〇新聞さんがもっとも早く報道して頂き、(結果的に)クラウンが(メディアでの)話題になったことは良かった」とも発言している。

 また、新型「クラウン」の発表会見後、さまざまなメディアでその詳細を報じたが、ネット記事ではどれも高いPV数を獲得しており、日本のユーザーや市場関係者のクラウンに対する関心の高さが改めて証明されたといえるだろう。

 一方で海外での反応はどうなのか? クラウンという製品史上、海外で販売された期間は比較的短く、仕向け地も限定的だった。これに対して、新型「クラウン」は世界約40カ国で販売するという。現時点で、トヨタ側から導入が公表されている国や地域は限定的だ。

 そのなかで、もっとも早い反応があったのがアメリカである。

クロスオーバーは新しいユーザー層を獲得する可能性がある

 北米トヨタによれば、アメリカでは1955年に「トヨペット・クラウン」として市場参入し、1972年まで販売された。そのため、近年のアメリカでは「クラウン」という名前に馴染みがあるユーザーはほとんどいないと言える。

 アメリカの大手自動車メディア各社は、新型クラウンがアバロン後継になる可能性を示唆している。そうなれば、アバロンが作った一定規模の市場にクラウンがマッチすることになるだろう。

 さらに、2010年代以降に、それまで北米市場の主力だったC/DセグメントセダンからSUV(またはクロスオーバー)への急激なシフトを考えると、クラウン・クロスオーバーはアメリカで新しいユーザー層を獲得する可能性は十分にあると思われる。

 その他、期待される海外市場は中国だろう。中国では近年、クラウンを販売していた時期があり、モデルとして一定の知名度がある。また、中国でも近年、アメリカと同じようにSUV(クロスオーバー)シフトが起こっており、クラウンが活躍できるかもしれない。

 その他、欧州、中近東、東南アジアなど、新型クラウンの仕向け地がこれから徐々に明らかになるだろう。

 日本での発表会見でトヨタ幹部は、海外戦略ついては国や地域の市場状況を踏まえて、じっくりと考えていくという姿勢を示している。果てして、クラウンはグローバルカーとしてこれから、どんな活躍を見せてくれるのか? その動向を見守っていきたい。