ワールドエージェントの本社事務所

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 2022年2月17日に事業を停止していた(株)ワールドエージェント(TDB企業コード:894013601、資本金100万円、大阪府大阪市中央区南本町2-4-10、代表北川悟氏)は、3月10日に大阪地裁へ自己破産を申請し、同月18日破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は吉田浩司弁護士(大阪府大阪市北区天神橋1-19-8 MF南森町3ビル8階、TMG法律事務所、電話06-4397-4377)。財産状況報告集会期日は6月23日午後2時10分。

 当社は、2014年(平成26年)8月に設立したホームページ制作業者。大阪府を中心とした近畿圏の企業のホームページ制作ならびにサーバホスティングサービスを手がけていた。ホームページは自社で制作を手がけ、システム構築やSEO対策などにも対応し、クリーニング店やホテル運営会社などをクライアントとして受注を確保。サーバホスティングサービスにおいては、複数のサーバホスティング会社と契約し、各社の特長を把握したうえで得意先のニーズに合わせたサーバ会社を提案し、月額5000円内外でサービス提供していた。後発業者ながら前代表の人脈を生かした営業と、小回りの利いた対応でクライアントからの信頼を得て、近年は約10億円の年売上高を計上していた。

 しかし、同業他社との競争が激しく従前より利益は低調に推移していたほか、業歴が浅く内部留保が乏しかったため、余裕のない資金繰りを強いられていた。

 そのようななか、中小企業のデジタル化を支援する国の補助金「IT導入補助金」を不正に受給したとして、2月8日に前代表の北川督(つかさ)氏が大阪府警に詐欺容疑で逮捕される事態が発生。経営環境が急速に悪化して先行きの見通しが立たなくなり、2月17日に事業を停止していた。

 負債は申請時点で債権者約43名に対し約4000万円だが、「IT導入補助金」の不正受給に関する負債は現在調査中のため、今後大幅に膨らむ可能性がある。