雪国の人は「唖然」! 「サマータイヤ走行」「チェーンが巻けない」首都圏の雪で見かけた「ありえない行為」5つ
この記事をまとめると
■1月7日に都心で4年ぶりの積雪10cmを観測
■雪に慣れていない非降雪地帯だけに不適切な行動が見られた
■5つの例を挙げてその危険性を解説する
降雪を甘くみる人が多数!
1月20日は大寒(だいかん)でした。1年でもっとも寒さが厳しくなる時期という意味ですが、都心では1月7日に4年ぶりとなる積雪10cmを観測しましたね。その影響で、交通トラブルや負傷者の発生が相次いで都心は大パニック。東京都だけでも525人の負傷者が出て、車両の立ち往生が原因で100台以上が巻き込まれ、解消までに12時間以上かかった場所もあったといいます。雪国の人からすると、「たった10cm積もっただけで?」と呆れられてしまいそうなほど、雪に弱い首都圏。今回見かけた、とくに「それはダメでしょ」と呆れてしまう行為をピックアップしてみました。
まずいちばんダメなのは、降雪を甘くみてサマータイヤのまま走ること。今回も6日の早い時間帯は雪の粒も小さく、降りが弱かったため、「このくらいなら積もらないだろう」「まだ降り始めだから大丈夫だろう」と油断してサマータイヤのまま、なんの準備もせずにマイカーで出かけた人が多かったようです。
でもすぐに大粒の雪に変わり、降りもどんどん強くなり、数時間で街の景色は真っ白に。道路にもうっすらと積もり始め、午後4時の新宿では歌舞伎町の交差点で軽自動車がスリップし、中央分離帯に激突してボンネットがくの字になっている事故を目撃しました。本来、気温が7度程度まで下がる頃になったら、サマータイヤから冬タイヤに交換する時期。首都圏でも12月になれば7度くらいの日もあるので、クルマに乗る人は交換しておくのが安全運転の基本ですね。
2つめは、チェーンをちゃんと巻いていないクルマ。百歩譲ってサマータイヤで走るとしても、いざという時のためにチェーンを携帯しておくというのはいい心がけです。ただ、チェーンというのは一度も触ったことのない人が初めて装着しようとして、すんなりできると思ったら大間違い。何回か練習しておかないと、なかなか装着するのは難しいものです。
しかも、雪が降って手元が見えにくく、かじかむ手で路面状態も悪い中で装着するのは至難の技。路肩で1時間くらいかかって泣きそうになって装着している光景も珍しくありません。また、チェーンは基本的にタイヤ2つ分しか入っておらず、そのクルマの駆動輪に装着しますが、自分のクルマは前後どちらが駆動輪なのか、わからない人も多いのが首都圏。走っている他のクルマを見て、それが後輪につけているから自分も後輪につける、なんてやってたらそれこそ笑い者です。普段から、自分のクルマの駆動輪がどちらなのか、把握しておきましょう。
四駆やオールシーズンタイヤの性能を誤解している人も
3つめは、ウチのクルマは四駆だから大丈夫と雪道を侮って、走り回ってしまう人。7日のお昼頃、国道1号付近で生垣に突っ込んでいる某4WDモデルを目撃しましたが、残念ながらサマータイヤでした。平地をゆっくり慎重に走る程度は4WDならなんとか走れるかもしれませんが、カーブや坂道、凍結している路面ではいくら四駆だろうと、サマータイヤでは無理というもの。クルマはタイヤが命です。路面と接しているのはタイヤだけなのですから、それがちゃんとしていなければ、いくら四駆だってどうにもならないんですよね。むしろ四駆こそ、早めにスタッドレスタイヤを履いておくべきです。
4つめは、オールシーズンタイヤやスタッドレスタイヤを履いているから平気だと、普段と同じようなスピードで、車間距離を詰めて走る人。これもダメです。雪道を走り慣れていないことを発表しながら走っているようなもの。とくに首都圏では、すべての車両が冬タイヤを履いているとは限らないのですから、自分は大丈夫だからといって、むやみに高速道路に入ったり、橋など凍結しやすい場所を通ったり、交差点で直前までブレーキを踏まなかったり、といったことは大きなリスク。
今回も実際、東京湾にかかる橋「東京ゲートブリッジ」で2台がスリップして立ち往生したことが発端となり、大規模な立ち往生が発生していました。こういう事態の際は、多少時間がかかったとしても、橋を渡らなくても大回りして走れたり、途中で他の選択肢を選べるようなルートを通る勇気がリスクを減らします。高速道路が開通していたとしても、ICの入り口、出口はたいてい坂道ですね。そこでもしかしたらスリップするクルマがいるかもしれない。そう考えて行動するようにしたいものです。また、前のクルマが突然スリップしたとしても、ブレーキが間に合うくらいの車間距離を保ち、スピードも控えめにして走りたいですね。
5つめは、ダメな行為はクルマだけでなく、歩行者にも見られました。それはクルマがちゃんと止まってくれると思い込み、横断歩道の信号が青になった途端に、確認もせずに渡り始めてしまうこと。普段なら、クルマが止まらずに横断歩道に突っ込んでくることなど想像もできないかもしれませんが、雪の日はそれがありえます。
赤信号でクルマがちゃんと停止したことを見届けてから、横断歩道を渡り始めるのがいちばん確実。交差点を曲がってくるクルマも、ドライ路面なら歩行者を待って止まってくれるはずですが、雪の日には勢いづいて止まれず、突っ込んでくる可能性も0ではないのです。寒くて早く帰りたい気持ちもわかりますが、歩行者も雪の日にはしっかりと気を引き締めて、「クルマが止まらないかもしれない」という前提のもとで安全確認をすべきです。
ということで、東京ではまた1月下旬から2月にかけて、雪の予報も出てきていますね。今回の事態を教訓として、次は雪国の人たちに笑われないよう、しっかりと準備をして雪の日を迎えましょう。冬タイヤに交換するのが難しいなら、「降ったら乗らない」を徹底したいですね。