――具体的な注目銘柄は?

藤波 今年1月の組入上位10銘柄に入ってきた「ピンタレスト」は、ステイホーム期間の2020年3月〜4月に利用者が急増しました。当時、自宅で料理をする機会が増えたことで、多くの人たちがピンタレストを利用して料理画像を検索したのです。ピンタレストは、画像検索ツールといった使い方をされています。「インタレスト(人々の興味・関心)にピン止めする」ということがピンタレストの狙いです。

 例えば、料理の画像を見ながら気に入った画像をピン止めして「今日の夕食」というボードに保存すると、その画像の持ち主には、誰のどういうボードにピンされたのかの通知が届きます。そして、画像にはピンしたユーザー名とボードの名前が付け加えられ、誰かがピン止めしているボードを他の人が見に来たりします。このようにピンタレストは、人々がフォーカスしている興味・関心をストレートに反映するツールですから、企業の広告媒体としての価値も高く評価されています。2月に発表された20年10−12月決算で、売上高は前年同期比76%増と好調を持続しています。決算発表後にはマイクロソフトが買収を検討しているというニュースも出て株価が急伸しました。市場予想EPS成長率は76.6%です。

 また、同じく組入トップ10に入っている「ゼンデスク」は、カスタマーサポートのソフトウエアを開発している企業ですが、同社のシステムは日本でも既に2500社程度が利用していて、世界で14万5000社ほどが導入しています。ゼンデスクの特徴は、コールセンター業務をテレワークで対応することを可能にしたことです。企業のカスタマーセンターには、電話やメール、チャット機能などを通じて様々な問い合わせやクレームなどが入ってきますが、これらを一元管理して、テレワークで担当者が分散していても、誰でも同じ情報に基づいて応対ができる環境を提供しています。

 ――DXと一言でいいますが、現代社会はあらゆる業務がデジタル化していて、特に投資テーマとして絞り込めないのではないでしょうか?

藤波 当ファンドでは、「デジタル・トランスフォーメーションが加速しているところ」を取りに行きます。デジタル技術を活用して行動様式を変えるほどの大きな変革をもたらす企業に注目しています。現在は、「デジタル・ワーク」「コンシューマー」「レジャー」「ヘルスケア」という4つの分野に焦点を絞っています。

田村 これから100年の歴史の基礎になるような技術が、2020年〜30年の10年間に出揃うと言われています。DXもそうですが、5Gの普及、AI(人工知能)、自動運転、宇宙開発など、これから100年後の社会を作っていく重要な技術です。当ファンドも含めて、テクノロジー株に投資するファンドの多くは、1年−2年という目線ではなく、10年、20年という将来を展望しています。短期間での相場の変動を気にすることなく、中長期で投資をご検討いただきたいと思います。

 ――米国の長期金利上昇によって株価が急落するなど、株価が落ち着かない時もあります。実際に投資するにあたっては、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。

田村 当ファンドは、先ほどのピンタレストのように、株価が短期間に急騰するような組み入れ銘柄があります。運用チームは、その時々の変化に応じて、例えば一部を高値で売却するなど、きめ細かな対応をしています。足元の売買回転率は24.7%と、さほど大きくはないのですが、1つの銘柄を一旦利食いして買い増すなどの対応を含めて資金の回転率を計算すると70%を超える場面もあります。