【恵まれたSUV】ホンダCR-V ハイブリッド(最終回)長期テスト 好印象を生む穏やかさ
最終回 多くのクルマに乗れる恵まれた仕事text:Mitch McCabe (ミッチ・マッケイブ)translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
「#Blessed(恵まれている)」。筆者がインスタグラムなど、SNSで目にするハッシュタグだ。
恵まれた仕事だと思う。多くのクルマを試乗できる。当たり前のことではない。同時に、注目を受けることも少なくない。
ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)時々ガソリンスタンドへ、真新しいクルマ数台を連ねて給油に立ち寄る。クルマ好きのドライバーから、振り向かれることも多い。筆者には手が届かない、高級車のこともある。排気量や燃費も聞かれる。
いつも、自分がオーナーではないことを丁寧に説明する。さらに興味を持った人へは、知っている情報を伝え、車内を紹介することもある。
ポルシェやランボルギーニなど、エキゾチックなモデルではよくあることだ。でも、スーパーカーではないホンダCR-Vハイブリッドでも、似たような体験をするとは想像していなかった。
英国人のCR-Vへの感心度を、過小評価していたのかもしれない。2019年では、CR-Vは世界で最も数多く売れたSUVだった。筆者の考えが違っていたのだろう。
ある霧の深い夜、給油中に隣のポンプへ大型トラックが停まった。1人の男性降りてきて、筆者へCR-Vの感想を聞いてきた。ハイブリッド版を選ぶべきかどうか。
彼の話では、歴代のCR-Vを乗り継いできたのだという。次に乗り換えるクルマを検討していた。わたしの正式回答は、この長期テストの最終回で導かれる。
好印象につながる静かで穏やかな走り
ハイブリッド版CR-Vには多くのメリットがある。まず、走りが滑らか。
電気モーターは、低回転域から強いトルクを与えてくれる。多くの状況で、充分といえる活発さがある。市街地を低速で走る場合も、静かで穏やか。これらの要素が、CR-Vハイブリッドに対する強い好印象を生んでいる。
ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)立体駐車場も静かに走れる。同等サイズのSUVと比較して、CO2の排出量も少ない。実環境での平均燃費は13.8km/Lで、ガソリンモデルよりは良い。
イニシャルコストを回収できるだけの差になるかどうかは、走行距離による。でも筆者は、もっとハイブリッドは燃費が良いと考えていた。電動化技術は、軽くないためだろう。
EVモードだけで走るような、短距離が中心のスタイルなら、燃費はもっと伸びるはず。
ドライビング体験は薄味。良い意味で。
パワートレインの複雑さを考えると、違和感なく普通に運転できることに驚かされる。ステアリングホイールに付いた、パドルで操作する回生ブレーキも、馴れれば当たり前の機能に感じられる。
ステアリングホイールの操舵感は、落ち着きがあり正確。乗り心地も快適だ。車線維持支援システムや、アダプティブ・クルーズコントロールも素晴らしい。
一方で、ハイブリッド版CR-Vのマイナスポイントの1つは、牽引重量が750kgに制限されること。力強いディーゼルもなくなり、英国の読者からは残念だという意見をもらっている。
不満の少ない恵まれた運転体験
筆者個人として気になったのは、シートのサイズ。アメリカ人向けなためか、幅が広すぎた。ランバーサポートも付くが、掛け心地が良いとはいえなかった。
体格によってシートの感じ方は違うと思うから、事前に試乗することをお勧めする。別のスタッフは、快適に座れたようだ。
ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)英国仕様の場合、インフォテインメント・システムも弱点の1つ。メニュー構成が複雑で、ライバルモデルのものより良いとはいえない。でも、CR-Vを諦めたくなるほどではない。不満といえばその程度。
SUVとして、CR-Vの完成度は高い。荷室は広く、カメラ機材を積んで沢山の撮影に同行させた。週末にはサーフボードやマウンテンバイクを積んで、楽しんだ。
リアシートは、大人がリラックスして居眠りするのにも、充分な広さがある。リアシート側にもSUBポートと、エアコンの送風口が付いている。
ホンダCR-Vハイブリッドは、流行をしっかり捉えている。ハイブリッドで、EVモードもあり、SUVだ。それらが、世界で最も売れるSUVの1台、という記録につながっている。
この長期テストは、筆者にとって恵まれた体験だった。#Blessedを付けたいほど。
セカンドオピニオン
個人的には、ホンダCR-Vはあまり視界には入ってこない。ボディもインテリアも、デザインはライバルと比べると印象が薄い。滑らかさや実用性を重視しているようだ。ただし、それは多くのドライバーにとって重要な側面でもある。
英国仕様のインフォテインメント・システムは時代遅れ。ハイブリッドなら、そこも時流に合わせた方が良いだろう。 Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)テストデータ気に入っているトコロ
EVモードでの走行:エンジンノイズのない、モーターでの走行が楽しい。排気ガスも排出しないで済む。
運転支援システム:車線維持支援システムは、長距離ドライブでのストレスを軽減してくれる。
回生ブレーキ:スポーツカーのようなパドルを引くと、回生ブレーキの強さを変えられる。その変化を楽しめた。
気に入らないトコロ
インフォテインメント・システム:ラジオの選曲だけでも、頭を使う。最後まで慣れなかった。
ドライバーズシート:筆者の背骨は、CR-Vの背もたれとランバーサポートにフィットしなかった。ほかのドライバーは大丈夫なようだ。
走行距離
テスト開始時積算距離:1313km
テスト終了時積算距離:1万1714km
価格
モデル名:ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)
新車価格:3万4470ポンド(468万円)
現行価格:3万5570ポンド(483万円)
テスト車の価格:3万5320ポンド(480万円)
ディーラー評価額:3万1680ポンド(430万円)
市場流通価格:2万8510ポンド(387万円)
個人評価額:2万6785ポンド(364万円)
オプション装備
パール塗装:850ポンド(11万5000円)
燃費&航続距離
カタログ燃費:13.7km/L
タンク容量:57L
平均燃費:13.8km/L
最高燃費:15.7km/L
最低燃費:12.0km/L
航続可能距離:788km
主要諸元
0-100km/h加速:9.2秒
最高速度:175km/h
エンジン:1993cc直列4気筒自然吸気+電気モーター
最高出力:145ps(エンジン)/184ps(電気モーター)
最大トルク:17.8kg-m(エンジン)/32.1kg-m(電気モーター)
トランスミッション:eCVT
トランク容量:497L
ホイールサイズ:18インチ
タイヤ:235/60 R18
乾燥重量:1672kg
メンテナンス&ランニングコスト
リース価格:362.9ポンド(4万9000円/1カ月)
CO2 排出量:126g/km
メンテナンスコスト:なし
その他コスト:なし
燃料コスト:799ポンド(10万8000円)
燃料含めたランニングコスト:799ポンド(10万8000円)
1マイル当りコスト:0.12ポンド(16円)
減価償却費:5960ポンド(81万円)
減価償却含めた1マイル当りコスト:1.0ポンド(136円)
不具合:なし
