シャルケ時代でもレギュラーとして活躍した内田。(C) Getty Images

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 8月20日、鹿島アントラーズに所属した元日本代表DFの内田篤人が、現役引退を発表した。シーズン途中での異例の決断だ。

 2006年に清水東高校から鹿島に入団した内田は、1年目の開幕戦でスタメンに抜擢されると、瞬く間に主力に成長。そして、07〜09年のJリーグ3連覇を置き土産に、10年の夏にブンデスリーガの強豪シャルケに移籍した。ドイツでも右SBの定位置を掴み、11-12シーズンにはクラブ史上初のチャンピオンズ・リーグ(CL)ベスト4進出に貢献した。

 日本代表としても74キャップを記録し、2度のワールドカップに出場。優れた技術と状況判断力を利したプレーで日本を代表する右SBとなったが、2015年に右膝の手術を受けてからは怪我との戦いを余儀なくされ、満身創痍の状態での引退となった。
 32歳で惜しまれる引退を決断した名手が残した金字塔がある。スポーツのあらゆるデータを取りまとめる『Opta』によれば、内田はCLにおける日本人選手史上で最も長い出場時間(2387分/29試合)を記録しているという。

 ドルトムントとマンチェスター・ユナイテッドで出場した2位の香川真司に99分差とはいえ上回ったのは、ドイツの名門でいかに重用されていたかを証明するデータと言えるだろう。

 ヨーロッパの大舞台でも小さくないインパクトを残した内田。その勇姿を見られるのも、23日のガンバ大阪戦が最後だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部