<アイルランド・スコットランド>圧勝し笑顔を見せるアイルランドフィフティーン(撮影・久冨木 修)

写真拡大

 「やはり、リーチとパーカーだね。それからタナカフミもいい選手だ」

 例えばだが、サンウルブズのホームゲームで相手側の練習後に「警戒する選手は?」と選手やコーチに質問を向けると、大抵は冒頭のような回答が返ってくる。そして「あまり分析はしてないんだろうな」という感想に落ち着く。3人が警戒すべき選手であるのは承知しているが、それ以上に知っている名前を挙げた感が強いからだ。

 だがアイルランドは、やはり違った。22日のスコットランド戦後の会見の最後。ジョー・シュミット監督は日本戦に向けての質問が及ぶと「日本は速い試合展開を仕掛けてくる。スキルもあり、流から田村へと幅の広いパスができる。FWにもダイナミックな選手が揃っている」と選手数名の名前を交えながら、淀みなく答えた。

 15番で先発したジョーダン・ラーマーは「チームとしてビデオを見ており、評価もしている」とすでに日本の分析を始めていることを明かした。その上で「日本が何をしようとしているのか、何を彼らが強調しているかも見ている。さらにそれを元にどうやって戦うかを考えている。ある意味で準備はできている。しかし何が起きるかは分からない。何が起きてもそれに応えてできるようにしたい」と答えた。もはや十分すぎるほどの緻密さと警戒心。だからこそ初の世界ランキング1位などの近年の飛躍があるのだろう。

 17年6月の来日シリーズでは、ディフェンス時に選手個々の名前をコールしたことで日本代表を驚かせた。強豪国にありがちな、隙や油断は望めそうにない。スコットランド戦から中5日。日程的には厳しく、多少のメンバー変更はありそうな日本戦だが、世界一の本気度は変わりそうにない。(阿部 令)