漁業の収益力向上へ、相次ぐデジタル技術たちの挑戦
今後は、漁船から水揚げされた魚をベルトコンベヤーに乗せ、映像から魚の種類と大きさをAIが判定する。この情報を基にロボットアームが魚をつかんで魚種別のトレーに入れる自動仕分けも実証し、2020年度末までの実用化を目指す。
実証では、NTT東が20年3月までに仙台市に新設するAIシステム検証施設「スマートイノベーションラボ」を活用する。AI学習に必要なデータの高速処理が可能な専用サーバーやクラウドへの安全な接続環境など同ラボの設備を使い、AIを用いた魚の自動判別を瞬時に行えるようにする。
農林水産省によると、17年の漁業就業者数は08年比31%減の約15万3000人。高齢化も進んでいることから通信各社はスマート漁業の実証を相次ぎ行っている。NTT東は福島県郡山市でもコイ養殖場の水温や酸素濃度をセンサーで取得し、生産性を向上させる実証を始めた。
KDDI総合研究所は、居酒屋を運営するゲイト(東京都墨田区)と三重県尾鷲市でスマートブイを用いた実証を始めた。定置網漁場に設置したスマートブイによる水温測定や水中撮影で漁獲量を予測。漁師の勘や経験に頼っていた漁業の効率化を目指す。NTTドコモも宮城県松島湾のカキ養殖業者など向けにブイが測定した海水温をスマートフォンで閲覧できるシステムを提供している。
