スペイン1部ウエルバ移籍のなでしこMF田中陽子、初の海外挑戦で野望「CLに出たい」
ノジマステラを退団し、スペインのウエルバへ移籍 決断の理由は「行ける自信が出た」
海外挑戦に伴い、なでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)1部ノジマステラ神奈川相模原を退団したMF田中陽子の移籍先が2日、スペイン1部のウエルバに決定した。
元なでしこジャパン(日本女子代表)のアタッカーは、国内ラストゲームとなった6月29日のリーグカップ第8節日テレ・ベレーザ戦(0-2)後、「チャンピオンズリーグに出たい」と大きな目標を掲げている。
2012年、日本で開催されたU-20ワールドカップで“ヤングなでしこ”を3位入賞に導き、計6得点でシルバーブーツを獲得した田中陽子。翌13年にはA代表のなでしこジャパンに選出されるも、同年9月のナイジェリア戦以降は代表の舞台から遠ざかることになる。JFAアカデミーから加入したINAC神戸レオネッサでの3年間も、リーグ戦出場は計34試合にとどまった。
15年に当時2部だったノジマステラへ移籍。初年度は1部・2部入れ替え戦でアウェーゴールの差に泣いて昇格を逃すも、翌年にリーグ優勝とともに1部昇格を果たした。5年目の今季はシーズン序盤にベンチスタートの試合もあったなかで、どんな状況でもチームのために走り、勝利に向かって全力を尽くした。
ノジマステラは6月26日、田中陽子がクラブを退団して海外移籍することを発表。29日の国内ラストゲームの時点では手続き中のため新天地は明らかにされていなかったが、7月2日にスペイン1部ウエルバ行きが正式決定した。
田中陽子はノジマステラ在籍4年半、シーズン途中での決断について、「行ける自信が出たから」と明かす。
「昔から海外に行きたかったんですけど、オファーが来て、自分のいろんなことがすべて揃いました。相手より早く動く、相手の隙を見つけるとか、感覚的な部分がだいぶできるようになってきたので、大丈夫かなと思って(笑)。自信を持って(海外に)行きます」
かつては精度の高い両足のキックを武器とするテクニシャンのイメージが強かった田中陽子だが、ラストゲームのリーグカップ第8節ベレーザ戦ではボールホルダーに対して激しくプレッシャーをかけるなど絶え間なく走り続け、球際でも激しくバトルを繰り広げる“戦える選手”へと変貌を遂げた。
「大きな大会で結果を出すことでいろんな人に見てもらえるし、自分の価値も上がる」
4年半を過ごしたノジマステラでは、“サッカーの楽しさ”という原点に立ち返ることができたという。
「ノジマステラは最後まで諦めないし、みんなで戦う。それがサッカーの楽しさだなとすごく感じました。そのなかでも考えてプレーすることを学んで、勝利に向かってどう特長を出していくか、さらに自分が苦手なことをどう上手くカバーして良いところを出すか、考えられるようになりました」
田中陽子は、海外でプロ選手として勝負したいという思いとともに、「世界中の人に愛される選手になる」ことを以前から目標の一つに掲げてきた。海外挑戦にあたっては、自身のプレーで観る人を勇気づけたいと思いを語っている。
「今からいろいろ挑戦するなかで、上手くいくこと、上手くいかないこと、あると思います。でも、自分はあまり落ち込むことがなくて、新しい挑戦を楽しむタイプ。もし何かに悩んでいる人がいたら、私のプレーを見て、ヒントとか希望を見つけてくれたら嬉しいです。世界中の人に愛されるには、やっぱりサッカーだけじゃダメだと思うんです。人間性もどんどん出せていけたらいいなと。自分ではいいイメージがあります」
新天地のウエルバは、2018-19シーズンはリーグ戦16チーム中14位。優勝したアトレチコ・マドリードやバルセロナに大きく差をつけられたが、田中陽子は移籍先決定前に大きな目標を口にしている。
「海外は大きな大会があるので、そこで結果を出すことでさらにいろんな人に見てもらえるし、自分の価値も上がる。どんどん試して、挑戦していきたいです。チャンピオンズリーグに出たいですね」
国内ラストゲームとなった一戦には、なでしこジャパンの高倉麻子監督も視察に訪れていた。田中陽子がスペイン移籍をきっかけにさらなるステップアップを果たし、なでしこジャパンの競争に本格参戦することを期待したい。(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)
