日本IBMのファミリー・デーで、ゲームをしながら楽しく学ぶ子どもたち(昨年)

写真拡大

 働き方改革関連法の4月施行に伴い、産業界ではさまざまな施策が動きだしている。柔軟な働き方では一歩先を行く外資系IT各社は、仕事だけでなく、健康増進や家族を含めた取り組みにも意欲的だ。日本ヒューレット・パッカードと日本IBMはそれぞれ新たな施策に乗り出す。(文=編集委員・斉藤実)

早めに退社
 日本ヒューレット・パッカードは、社員の健康維持・増進と働きやすい環境を支援する新しい人事制度を14日に導入する。毎月第2金曜日を「ウエルネス・フライデー」と定め、社員は14時半以降、就業扱いで早めに退社し、健康(ウエルネス)増進のための活動ができる。

 米本社のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)の施策に基づく取り組みで「人生の各段階に合った働き方支援」プログラムの一つとして加わった。

 HPEは「社員が健康であることこそがイノベーションの促進、生産性向上、サービス品質の向上につながる」との考え方を掲げ、健康増進が「身体の健康」「金銭的に健全であること」「メンタル、精神的な健康」の三つの要素が満たされることを重視する。

優良法人認定
 これに沿い、日本ヒューレット・パッカードはフレックスワークプレイス制度や全社オフィス内のフリーアドレス化などでも先進的に取り組み、2月に経済産業省と日本健康会議により「健康経営優良法人2019ホワイト500」認定を受けた。

 外資系各社は「働き方改革」という言葉ができる以前から、国内でも日本企業に先駆けて、働く時間や場所を柔軟に選択できる制度を推進している。

 日本IBMは5月に山口明夫社長の新体制が始動。対外的にはデジタル変革の推進を掲げる一方、社内に対しては「社員が輝ける働く環境の整備」を進める。「ワークライフ・インテグレーション(社員の仕事と個人生活の両立支援)」の一環として、8月中の2週間に、同社初の取り組みとなる就学児童向け保育プログラム「夏のIBMこがも学童クラブ」を実施する。

英会話など実施
 対象は社員の子女(小学1―6年生)。9時から18時まで、英会話やプログラミング体験、ゲームを通して身体を動かしながら英語力を高める体操などを行う。課外活動では美術館や博物館などにも連れて行く。

 同社は夏休みに社員の子どもを職場に招く家族イベント「ファミリー・デー」を毎年開催し、東京・箱崎の本社だけでも2日間で約2000人が参加している。

 仕事と育児の両立では、11年に本社内に「こがも保育園」、15年に幕張事業所(千葉市美浜区)に「みつばち保育園」を開設し、就学前の子どもを持つ社員を支援してきた。こがも学童クラブはこうした支援の枠組みを就学児童にも広げ、夏休みイベントとして行う。さらに山口社長の肝いりでは子どもだけでなく、ファミリー・デーに新入社員らの両親を招く企画も予定する。子どもから親まで信頼の輪を広げていく考えだ。