私たちの身近にあるコンビニの知られざる裏話を、業界の内情に詳しいライターの日比谷新太さんが紹介していく当シリーズ。前回の「万引き問題」に引き続いて、今回も「コンビニ業界の闇」の部分にスポットを当て、近年多発しているというコンビニの駐車場での交通事故、そしてたまにルーフ看板が壊れているコンビニがある理由について取り上げています。

コンビニ駐車場で多発する交通事故

コンビニといえば、徒歩や自転車で行くものというイメージを持つ方は多いかもしれませんが、それはコンビニが至る所にある都会だけの話。これが地方になると、自家用車で来店される方の割合が結構多く、それ故に最近のコンビニは、駐車場台数が多くなっている傾向があります。

出典:平成26年度「商業統計」より

上の表を見ると明らかなように、コンビニの駐車場台数で最も多いのは、10〜19台のスペースです。特にロードサイド店舗となると、駐車場の広さが来店客数と正比例するケースが大半。コンビニ経営にとって駐車場の台数は、実は重要なファクターとなるのです。

さて駐車場台数が増加すると、自ずと発生件数が増えてしまうのが、その駐車場内で起きる車同士の衝突といった事故です。

お客さんの車同士が衝突したり、商品搬入のトラックが駐車中のお客さんの車と衝突したりと、そのケースは様々。そのなかでも、コンビニ側として最も困ってしまうのが、商品搬入トラックとお客さんとの衝突事故(人身事故)です。

店舗の駐車場内で交通事故が発生した際に、非常に厄介なのが事故後の対応です。事故が発生した場合、当然ですが最寄りの警察に届け出を行います。その後、警察による現場検証が行われるのですが、それが終了するまでの間、お客さんの出入りが極端に減少するケースが数多く発生するからです。

コンビニの駐車場に、回転灯をつけたパトカーが駐車している状況を想像してみてください。お客さんの心理からすると、入店をためらってしまうのもよく分かると思います。

商品搬入トラックが事故を起こすことも……

さて、駐車場内の事故として意外と発生ケースが多いのが、商品搬入トラックが店舗の看板に衝突する事故。商品搬入トラックは3トントラックが多く、荷台の高さがちょうどルーフ看板とぶつかる位置なのです。

駐車場にはもちろん車止めを設置してありますが、店舗によってはその車止めの位置にトラックを駐車すると、看板に接触してしまうこともあります。

24時間営業が常のコンビニでは、商品搬入が絶えず行われています。特に「飲料」「酒」「お菓子」といった、比較的重量が大きい商品が搬入されることが多い深夜は、ドライバーたちの疲れがピークを迎える時間帯。それだけに集中力が途切れ、事故が発生しやすくなるのです。

トラックと店の看板と衝突すると、本部の担当者は途端に忙しくなります。というのも、事故後の現場検証中は衝突したトラックを動かせないので、そのままでは積載している他店舗用の商品の搬入が遅れてしまうからです。そこで代わりのトラックをすぐに手配し、商品を積み替えて次の店舗へと向かわせる必要があります。

特に深夜帯は、店長などの責任者が店にいないケースが多く、そういった場合は本部の担当者が、事故現場の取りまとめなどを代理で行わなければいけません。というわけで本部の担当者たちは、夜中に自分のケータイが鳴ると、寝ていても「すぐ出動だ」と一発で目が覚めてしまうそうです。

image by: Phuong D. Nguyen / Shutterstock.com

 

文/日比谷 新太(ひびや・あらた)

日本のコンビニエンスストア事情に詳しいライター。お仕事の依頼はコチラ→のメールまで: u2_gnr_1025@yahoo.co.jp

出典元:まぐまぐニュース!