預けたお金は誰のもの? 預金を盗まれても「被害届」は出せないってほんと?
誰でもひとつは持っている「預金口座」。気づいたら誰かにオカネを引き出されていた! なんて局面は想像したくありませんが、慌てて被害届を出しに行っても、受け取ってもらえないのはご存じでしょうか?
お金は確かに自分のものですが、預けたあとは金融機関のものあつかい。キャッシュカードや通帳を盗まれたら被害届を出さないといけませんが、不正に引き出されたオカネは預金者=被害者にはなりません。いずれにせよ補償の対象となるので、まずは警察ではなく金融機関に連絡しましょう。
■預けたお金は誰のもの?
銀行や信用金庫などで手軽に開設できる「口座」は、預金はもちろん、公共料金やクレジットカードの支払いに欠かせない存在です。残念ながらオカネを増やそう! といえるほどの利子はもらえませんが、家に置いておくより安全です。ただし、インターネットバンキングや電子機器の普及により、不正に引き出される事件が増えているのも確か。残高照会したらオカネがなくなっていた! なんてことがないように、カードやパスワードの管理には気をつけたいものです。
もし「偽造カード」で預金を引き出されてしまったら、どうすれば良いでしょうか? 自分のオカネがなくなったのだからドロボウと同じ、と思うのが人情ですが、幸か不幸か被害者は金融機関。預金者が「被害届」を出すべき話ではないのです。
金融機関に預けたお金がなくなることもありませんし、引き出したければいつでもできます。ただし預けたお金は、企業や個人に「融資」するなど運用に使われますから、ある意味で「金融機関のもの」として扱われます。同様に、偽造カードなどで不正に引き出された場合は「金融機関のお金」が盗まれたことになるので、預金者=被害者にはならないのです。
ただし、通帳やキャッシュカードは「預金者のもの」ですから、ドロボウに入られたときは自分で「被害届」を出さないといけません。それらを使って預金を引き出されると話はフクザツになってしまいますので、まずは金融機関に連絡し口座の停止、被害届などその後の処理の指示をあおぎましょう。
■わかりやすい暗証番号は「過失」扱い
もし不正な手段で預金を引き出されてしまっても、「泣き寝入り」する必要はありません。重大な過失がない限り補償される制度があるからです。
偽造や盗難によって預金を引き出されてしまった場合、2006年からは通称・預金者保護法によって補償が受けられるようになりました。気づいて連絡した日から「30日前」までが対象となるので、いつも使っている口座なら誰もが補償を受けられる、有り難い制度です。もちろん手続きが必要になりますが、先のとおり金融機関の指示通りおこなえばOKです。
ただし「過失」があった場合は補償が減額、またはまったく受けられないこともあり、代表例はキャッシュカードの暗証番号で、
・誕生日
・クルマのナンバー
・電話番号
など、容易に想像できる番号にしておくと管理が甘い=過失と判断されます。まったくゆかりのない番号では忘れてしまうのも確かですが、「まま」誕生日のひとは見直したほうが良いでしょう。また、見えやすい場所に置いておく、酔って管理できない状態も「過失」になりますので注意してください。
家族や同居人が勝手に引き出した場合は、不正とは見なされず、補償の対象外となります。身内や知り合いとのトラブルほど後味の悪いものはありませんから、カードや通帳はひとめにつかない場所に保管しておいてください。
■まとめ
・預金を誰かに引き出された場合、被害者は「金融機関」
・預金者が「被害届」を出すのは、キャッシュカードや通帳が盗難にあったとき
・不正に引き出されたオカネは、預金者保護法によって保護される
・誕生日や電話番号と同じ「暗証番号」は、過失と判断される
(関口 寿/ガリレオワークス)
