共働き夫婦には、どんな保険が必要か

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乗合保険ショップで学資保険代わりに月10万円の終身保険を勧められた、と編集部員の方から相談を受けました。ざっと状況を説明しますと、夫婦とも会社員で5歳、2歳の子持ち、現在でも月5万円分の生命保険に入っているご家庭です。

貯金ほぼゼロのところに、現状に加えて10万円の保険に入るのは大変危険であるとお話ししたところ、改めて私に保険の見直しを依頼するということで、書類を揃えていただきました。給与明細、源泉徴収票、住民税通知書、ねんきん定期便、勤め先の福利厚生がわかる資料、保険証などです。さらに住宅ローン残高、生活費を把握してきていただきます。

念のため申しますと保険ショップは無料ですが、ファイナンシャルプランナーへの相談は有料が基本です。相場は家計診断で2時間2万円程度でしょうか。

私たちは家計全体を把握しないとアドバイスできません。まずは家計の実力である手取り収入を計算しましょう。源泉徴収票には書いてありません。収入金額から、所得税、社会保険料、住民税を引いたもの、これが手取り収入です。

この夫婦の社会保険料の合計は、年間計300万円。こんなに払っていたのかと驚かれましたが、そのおかげで万が一にも社会保障が守ってくれるんです。

例えば、高額療養費。一般的な収入であれば月8万100円+α以上の医療費はかかりません。それと、子供が18歳未満であれば遺族基礎年金、さらに遺族厚生年金もあります。会社員なら就業不能時の傷病手当金もある。保険に入らずともすでにこれだけ守られているのです。

さて、今かけている保険が本当に必要か考えましょう。奥様は月1万2000円の日系生命保険会社の終身保険。死亡保障額1000万円で、入院や女性疾病特約付きです。でも、奥様の会社の健康保険組合の給付は手厚く、医療費は月2万円までしかかかりません。特約部分は必要ないです。そこを解約すると、月8000円の支払いにできます。

保険そのものを払い済みにする手もあります。払い済みというのは、今まで払った保険料でこれまでよりも小さな保険にする方法です。今後の保険料の支払いをストップし、保険も一部残すことができます。奥様の保険は、22歳時に入った保険でしたから、今払い済みにしてもおよそ620万円の死亡保障が残せます。

旦那様ももちろん、高額療養費制度が使えますから、月3000円の医療保険はなくてもいいでしょう。あとは日系生命保険会社の900万円の終身保険とかんぽ生命の500万円の特別養老保険、こちらも払い済みにしてもいいでしょう。

そのうえで、必要な保険を掛け捨てで準備します。子供がいるので遺族年金などを踏まえ、生活費の不足額と教育費をカバーする保険は入っておいたほうがいいでしょう。ケースバイケースですが、専業主婦が残されるなら、共働きより多めの保障をかける必要が出てきます。

保険をかけるのは、子供が大学を出るまでの必要期間までが目安です。例えば1人1500万円の教育費(中学から大学まで私立と仮定)として3000万円の定期保険に入るとしたら、40歳の男性の場合、10年のネット保険で月5000円ほど。今、年間60万円の保険料が、6万円で済みます。

不測の事態は死亡と入院だけではないので、どのような事態にも対応できるよう、現金を蓄えるのが基本。保険はその補完策です。今すべきなのは、子供の中学受験のための資金準備、そして速やかな住宅ローン返済です。このライフイベントを滞りなく乗り切るため、まずは現金を貯めること。保険を見直し、健全な家計づくりに取り組んでほしいと思います。

(ファイナンシャル・プランナー 清水 香 構成=プレジデント編集部)