報道陣に一礼し、釧路地裁に入る桂田被告(17日午前9時28分、釧路市で)=古厩正樹撮影

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 北海道・知床半島沖で2022年、乗客乗員26人が死亡・行方不明となった観光船「KAZU I(カズワン)」の沈没事故を巡り、釧路地裁は17日の判決で、事故時に船にいなかった運航会社社長、桂田精一被告(62)の過失を認めた。

 悪天候下で運航すれば、事故は予見できたとし、被告の安全管理のずさんさを非難した。

 判決公判が行われた釧路地裁では17日、沈没事故で失った家族の遺影を手に公判を傍聴する人の姿があり、法廷内ではすすり泣きの声が聞かれた。業務上過失致死罪で科せる最長の禁錮5年という判決に、被害者の家族からは「ホッとしたが、26人の命の重さには見合わない」との声が上がった。

 沈没事故で長男(当時7歳)と元妻(当時42歳)が行方不明のままの北海道帯広市の男性(54)は、長男の写真のアルバムを地裁に持参した。判決を聞き、「有罪になって良かったと思う反面、26人の命の重さに見合う判決と受け止めることはできなかった」と語気を強めた。

 事故から4年2か月。「あっという間のような、結構な月日がたったような。事故がなければ7歳だった息子は今頃11歳になっていた。成長した姿を見たかったな」と声を落とした。桂田被告については「言い訳や誰かのせいにすることはやめて、素直に罪を認めてほしい」と話した。

 60歳代だった父親が行方不明となった道外の40歳代の長男は釧路市内で行われた記者会見で、「最大限の判決だったとは思う」と判決を評価した。

 沈没事故を巡っては、乗客15人の家族ら33人が運航会社と桂田被告に対し、計15億円超の損害賠償を求める訴訟を起こしており、札幌地裁で審理が続いている。