アジアの王者「アルファード」も中国だけはライバルに敵わず! まさかの「ビュイック」がナンバー1なワケ

この記事をまとめると
■中国では高級商務車がミニバン市場の中心となっている
■ビュイックGL8が販売台数と残価率で長年首位を維持
■ほかの中国勢やトヨタ・シエナが見せる追い上げに注目となる
「幹部車」の代名詞としてミニバンが君臨
日本でミニバンといえばファミリーカーの代名詞といってもいい存在となっている。トヨタ・アルファードはいまではリッチなインバウンドが日本観光を楽しむ移動用車や、一般的なハイヤー、政治家の移動用車などでも活躍しているが、ファミリーカーとしてのニーズも依然として根強いものがある。
中国では過去にひとりっ子政策を行っていたこともあり、「ミニバン=ファミリーカー」というイメージには直結しない。日本でのシエンタやフリード、ノア&ヴォクシー、セレナのようなザ・ファミリーカーというようなサイズやキャラクターのミニバンもあるにはあるのだが、「高級商務車と」呼ばれ、企業幹部の移動などに使われる大型で高級な車両がミニバンの中核をなしているのである。

第19回北京モーターショー内で配布されていた新車の再販価値予測資料によると、この資料ではミニバンはMPV(多目的車)とカテゴリーされており、汽油(ガソリン)MPVにおける3年後の再販価値率では、上海GMのビュイックGL8が55.73%でトップとなっていた。ちなみに2位は広州汽車のトランプチブランドのM8(55.56%)、3位は江鈴フォードのトルネオ(55.52%)となっていた。
GL8にはPHEVもラインアップされている。NEV(新エネルギー車)MPVクラスでは1年後の残価率67.64%でビュイックGL8 陸尊PHEVがトップとなっていた(2位はBYDのデンザD9、3位は広州汽車のトランプチE9)。
中国系メーカーの多くもPHEVだけではなく、BEVも含めた多数のNEV高級ミニバンをラインアップしているものの、それでもビュイックGL8は不動のステイタスナンバーワンを維持している。北京市内にあるミシュランガイドで三ツ星をここ毎年とっている高級中華レストランの駐車場には多数のビュイックGL8が駐車されていた。日本のニュースにて政治家がアルファードで首相官邸の車寄せに横づけする映像がテレビに流れることがあるが、GL8は日本のアルファード、もしくはそれ以上のステイタスを1999年の初代デビューから中国で維持しているのである。

初代デビュー当時、ビュイックGL8以外高級商務車は存在していなかったといってもいい状況のなか、政府機関や中国共産党では幹部の移動用車としてGL8が使われており、それがGL8のステイタスをあげることにつながった。
日本とは異なる独自の進化を遂げた中国市場
ずいぶん前に、「GL8だから料金は高いよ」と白タク行為をしていたGL8のドライバーに話しかけられた。2025暦年締め年間新車販売台数をみると、11万2134台を販売してビュイックGL8がMPVクラスでトップとなっている(2位はデンザD9の9万2988台)。単に高いステイタスを維持しているだけではなく、販売台数でもGL8はトップとなっているのである。

東南アジアではステイタス&人気ともに不動となっているトヨタ・アルファードの名前が出てこないことを不思議に思うひともいるかもしれないが、GL8は高級商務車とはいえ中国国内にて生産しており、車両価格帯は22.99万〜36.99万元(約528万〜約850万円)となっている。いっぽうのアルファードは日本からの完成車輸入となり、車両価格は89.90万〜92.90万元(約2067万〜約2316万円)となっているので、GL8とは同じ舞台には立っていないといっていい状況にある(中国国内の販売台数も全体に比べれば少量となる)。
ただし、アルファードに代わる存在として中国で現地生産されている広州トヨタのフルサイズミニバンとなるシエナ(車両価格帯は29.98万〜39.38万元[約689万〜約919万円])が販売台数では9万2214台を販売して同クラス3位となっており、GL8に迫ろうとしている。

GL8が現状では不動のステイタスと販売ナンバーワンの座を維持しているが、中国系と日系ライバルがその座をじわじわと脅かしているようにも見え、これからも注目したいと考えている。




