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熊本県芦北町の山あいにある古石地区では、森を歩く「フットパス」と「箱庭づくり」を楽しむという、癒やしの体験プログラムが人気です。多くの自治体からも注目されているユニークな取り組みとは、一体どんなものなのでしょうか?

【写真を見る】【体験ルポ】ユニークな癒やしプログラム 「森と箱庭」が大人たちの心をすっきりさせる秘密 熊本

独自の癒しプログラム「森と箱庭」

記者「こんにちは。今日はよろしくお願いします」

出迎えてくれたのは、地元有志でつくる「フットパス芦北」の皆さんです。歩きながら芦北の魅力を感じられるコースを考案してきました。

中でも力を入れているのが、臨床心理士と連携した独自の体験プログラム「森と箱庭」です。

フットパス芦北代表 佐藤圭吾さん「2年前からこの森に道標を立てて、歩く道を整備してきた。『森歩き』と『箱庭』を組み合わせた体験プログラムを作った」

「五感を使って」楽しむ

まずは、森歩きから。約3kmの山道を、1時間かけてゆっくりと歩きます。森歩きのポイントは「五感」を使って楽しむこと。

佐藤さん「森に入ると空気感が変わる。森林の匂いもする。鳥のさえずりを聞くことで、穏やかな気持ちになる。木や植物に触れて、感触を楽しんでもらいたい」

歩いているうちに徐々に感覚が研ぎ澄まされ、自然の音や香りに、心も体もほどけていくようです。

自然からエネルギーをもらって

佐藤さん「見えますか?これが『150年杉』です」
記者「おー!すごい。大きいですね」

現れたのは、樹齢150年になるスギの巨木。生命力あふれる姿に圧倒されます。

佐藤さん「大きいでしょう」
記者「エネルギーを感じますね。しっかりしていますね」
佐藤さん「なかなかこういう巨木はない」

神秘的な巨木から、エネルギーを分けてもらいます。

森で見つける私ならではの”アイテム”

森を歩きながら、それぞれが目に留まったものを1つだけ拾います。これは、この後の「箱庭づくり」で使う重要なアイテムです。

「箱庭づくり」を教えてくれるのは、箱庭療法を研究する臨床心理士の池上駿さんです。

記者「箱庭づくりとは一体どういうものなのでしょうか?」

臨床心理士 池上駿さん「砂が入った箱の中に、ミニチュアを自由に並べて、自分の内面を表現するものです。言葉にならないものが表れると言われているので、あまり頭で考えずに、直感的に選んで置いてもらえたら」

仲間と作る、ひとつの世界

森で拾ってきたドングリや石、その他いろいろなミニチュアを置いていく「箱庭づくり」がスタートしました。

ポイントは、1人ではなく一緒に歩いた仲間と作ること。

言葉を交わさずに、選んだアイテムを順番に置いていくと、次第にお互いの考えや気持ちが見えてきて、つながりを感じるように。

どんな箱庭ができたのか?

約20分後、4人で作った「箱庭」が完成しました。この日それぞれが感じた世界がひとつの場面に表現されています。

池上さん「古石地区でしかできない箱庭だと思う。作っていく過程が大事。”相手が置いたものに刺激されてドングリを置く。その考えが分かってもらえてうれしい”と、そういういう思いを持てることが箱庭の良さ」

”つながる”ことで生まれる「癒やし」 

参加者「横のつながりを感じる。他人なんだけど、一緒の気持ちで癒やされていくような感覚」

記者「何かすっきりした気持ち。自分の思っていることを言葉ではなく表現できたと思えて、すっきりした気持ちになるのと、皆さんとつながれてうれしいという気持ち」

ストレス社会ともいわれる現代に「森歩き」と「箱庭づくり」で得られる心身の癒やしは、子どもから大人まで幅広い年代に求められていると、佐藤さんは感じています。

佐藤さん「歩くこと(フットパス)にプラスアルファして、多様な体験プログラムを作って、もっともっと癒やされるような企画を考えていきたい」