民営化2か月 愛称変更や利用者増の方策は 富山空港
今年4月に民営化された富山空港の運営会社はきょう、空港の活性化や利便性の向上を目指し、東京のデータ分析企業と協定を結びました。
現在、無料スペースが多い駐車場や「富山きときと空港」の愛称を見直す動きもあります。
富山空港はどう変わろうとしているのか、吉田記者の取材です。
富山空港を運営する富山エアポートがきょう協定を結んだのは、AIやデータ分析を強みにコンサルティング業務を手がける東京の企業です。
空港内にオフィスを設け、利用者のデータを収集・分析し魅力ある空港づくりに活用するほか新たな雇用機会の創出にもつなげたい考えです。
「空港は単に移動する場所ではなく、新しい価値を作っていくという意味において、全国にはないモデルですから、それが富山でできる」
利用者数がピーク時から大幅に減少し、赤字が続く富山空港。
V字回復を図るべく今年4月から空港運営のかじ取りを任された岡田社長は、就任早々、様々な改革に着手しています。
吉田颯人記者
「岡田社長が変えようとしているものの一つが、広大な駐車場です。利用者にとって便利な反面、課題もあるといいます」
1500台余りが停められる無料駐車場では長期間の放置車両や無断駐車が見受けられるとして、先月、駐車場の管理などを行う「タイムズ24」と協定を締結。
出入りした車のデータを集約するシステムを近く導入し、対策を検討する方針です。
さらに見直しの対象となっているのが、2012年に公募で決まった「富山きときと空港」の愛称です。
空港の愛称をめぐっては先月、石川県の能登空港の愛称が「のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港」に変更されることが話題となりました。
全国の空港の愛称には「鳥取砂丘コナン空港」や「米子鬼太郎空港」などアニメの作者の出身地にちなんだ愛称のほか「おいしい庄内空港」という一風変わったものもあります。
岡田社長
「愛称。空港の愛称。インバウンドに人気のある『高山』。そして寿司といえば富山の『寿司』、これを(愛称に)入れることで…」
新田知事
「さっそく富山空港の新たな愛称をご提案いただきましたが、県として早急に決めたいと考えております」
新田知事は、岡田社長の「変更」の提案を受け入れ、7月までに決める考えを示しました。
一方、富山空港の愛称に「高山」を入れる案が出ていることについて、岐阜県の江崎知事はきのうの会見で…
江崎岐阜県知事
「岐阜県は空港のない県だが、その空港に高山という名前がつくことによって、飛騨高山方面への入り口があるということを世界に発信していくということになると思うので。そういう名前を付けていただけるのであれば、富山県と岐阜県との連携を/準備しておくことが名に恥じない取り組みになるかと思う」
吉田記者
「すしや高山という言葉が出ていますが、県民や観光客の皆さんはどう考えるのか、聞いてみます」
県民男性
「おすしはまだいいとして、高山って県が違うし。できれば富山県の中の有名なワードを入れてほしいなとは思いますけど…」
県民男性
「富山にあるんだから『立山』の名前を入れた方が良いんじゃないかなと思います」
県民小学生女子
「きらきら!とやまのところがキラキラしとるから」
空港で取材をしていたきのう、偶然近くにいた岡田社長に聞いてみました。
吉田記者
「高山、という言葉に対して、富山県の市じゃないのに引っかかるという人も」
岡田社長
「特に海外の人は県境で旅行しない。関係ないから、広域で旅行する人にアピールする」
岡田社長が強く推す「高山」は、近年、インバウンド需要が急増しています。
コロナ禍が落ち着いた2023年以降、高山市の外国人宿泊者数は急増し、去年は100万人に迫る勢いで過去最高となりました。
岡田社長はこの高山人気を富山空港の利用者増につなげたい考えです。
吉田記者
「社長的にはインバウンドに注力?」
岡田社長
「それはそう。国際向けだから。やっぱり経済効果も大きいし、日本人が旅行しなくなって、成長分野はインバウンドだし、富山空港は特に国際線が止まっていて厳しい状況で、国際線が復活しないと困る。それをやるタイミングだからインバウンドの人にアピールする名前は大事。悠長なことを考えているほど余裕のある空港じゃもうないので、やっぱりやることは、ひとりでも多くのお客さんを呼ぶためにやるべきことをやることを尽くした方が良い」
富山を訪れていた外国人観光客に、富山空港の愛称について聞いてみると…
ドイツから
「Nick name for Toyama Airport…」(富山空港の愛称…)
「Mountain Airport!」「ヤマエアポート!」
香港から
「Maybe ShiroebiAirport!」
「Why?」
「Shiroebi is the most iconic thing in Toyama」(シロエビが一番、富山の印象的なものだから)
7月までに決める場合、時間は限られています。新田知事は、新たな愛称について公募に限らずに決める考えを示しています。
一方、県民からは「愛される空港にするために公募で出た案に投票する形にしてほしい」という声も聞かれました。
富山の空の玄関口の「顔」ともいえるその名前を、どう変えるのか。その決め方も含めて、注目が集まっています。
