試合後、客席にボールを投げ入れる丸(3日)=片岡航希撮影

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 巨人5−4オリックス(交流戦=3日)――巨人が2カード連続の勝ち越し。

 3点を追う八回、丸の代打逆転満塁本塁打で試合をひっくり返し、九回をマルティネスが締めた。オリックスは継投が裏目に出た。

巨人・橋上監督代行「ドラマですよね」

 バットを振り抜いた巨人の丸がスタンドインを確信して右手を掲げた。ベンチの選手も、スタンドのファンも総立ちになる。その飛球は、右中間にある長嶋茂雄さんがほほ笑む看板の方向へと伸びていった。

 3点を追う八回一死満塁で代打に丸。沈む変化球を見極めてフルカウントとなった後、6球目の膝元への148キロを見事に捉えた。「際どい球を、さすがの選球眼と集中力。代打でパッと出て最高の結果を残す。見習うところはたくさんある」。そう感服したのは、二塁走者で打席を見ていた泉口だ。弾むようにダイヤモンドを1周した丸は、「長嶋さんが打たせてくれたホームランと僕は信じている」と目を赤くした。

 同じ千葉出身の長嶋さんからは、直筆の手紙で巨人移籍を後押しされ、不振の時は二軍で直接指導してもらった。「夢のような時間で、今日は思い出しながら練習に臨んでいた。それが最高の結果になった」といい、改めて感謝の念を強くした。

 試合を決めたのは丸の一発だったが、敗色ムードの中でも誰一人、下を向かなかった。八回は一死から佐々木、泉口、松本がしぶとく単打を連ね、好機を作った。丸が皆の思いを代弁する。「今日の試合も(長嶋さんは)天国から『諦めるな』とずっと言ってくださっていたと思う。チーム一丸となって諦めない試合をお見せできて、本当に良かった」

 逆境でも試練でも、決して諦めない。一人ひとりが不屈の精神を宿し、特別な日に劇的な逆転勝利を収めた。(井上敬雄)

 巨人・橋上監督代行「選手を非常に頼もしく、誇らしく感じる。長嶋さんがよくおっしゃっていたけど、ドラマですよね。なかなか、こんなドラマは書きづらい。最高の形で勝利を届けることができて、ホッとした」