キャスター、ジャーナリストの安藤優子さん

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 作家の佐藤愛子さんが102才で亡くなった。生前、佐藤さんの謦咳に接したキャスター、ジャーナリストの安藤優子さんが追悼のメッセージを贈る。

【写真】直木賞を受賞したときの若き日の作家・佐藤愛子さん。他、子犬を抱く、若き日の佐藤愛子さんなども

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 北海道の別荘に滞在されていた佐藤先生に、お電話をしたときのこと。もうすでに90才を超えていたにもかかわらず、"文明の便利なもののない"場所に「一人でいるのが落ち着く」とお話しされ、本当にそういう暮らしを楽しんでいらっしゃるご様子でした。どこまでも自立されている先生なのだと、敬服したことを覚えています。

 エッセイにもお書きになっていますが、いまの世の中は「もっと」「もっと」と利便性を追求し続けてきた結果、「人間力」が乏しくなっていると嘆かれていました。モノや道具に頼らず、自分で考え、解決策を見出していくという「人としてのちから」がめっきり弱くなっているとお考えだったのでしょう。90才を過ぎてもなお筆致の力強さは変わらない、佐藤先生ならではの説得力がありました。

 佐藤先生が元夫の借金を必死でお返しになったエピソードには、私も非常に影響を受けました。そこには他人には分からないような、激しい感情のやり取りもあったかと思いますが、結果として「自分が選んだ」元夫の後始末を引き受ける人間の器の大きさに大いに感銘を受け、佐藤先生のするどい直球の言葉の底辺にあるのは、人間に対する(とりわけダメな……)深い愛情だと理解しています。

 佐藤先生のお書きになる文章にはいつも「生身をさらけ出す」肝っ玉のすわった覚悟を感じさせます。飾らず、正直で、するどくて、でもぬくもりがある。人を包み込む寛容さと、バッサリと切る率直さ。このふたつの人間力には大いに影響を受けています。

 天国に逝かれても、下界を見下ろし「愚かども」をバッサリと切り刻んでください。そうそう、愛犬のハナちゃんにはもう会われましたか? 「昆布ごはん、大好き!」と言っていましたか? ハナちゃんが先生のそばにぴったりと寄り添う姿が見えるようです。

※女性セブン2026年6月11日号