「今すぐアルコールを出せ」深夜便で暴れる迷惑女性客 そんな中、ビールを頼んだ男性にCAが見せた神対応【後編】

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密室である飛行機内でトラブルを起こす客がいると、対応するCAたちの苦労は計り知れない。

南アジア勤務の40代男性(沖縄県/企画・マーケティング・経営・管理職)は、一時帰国の深夜便で起きた騒動の一部始終を投稿で明かした。後ろの席に座る50歳前後の外国人女性が

「私はこの航空券に3100ドルも払っている」

と座席トラブルで英語の放送禁止用語を連呼する事態に遭遇した。

周囲の客を移動させるなどCAたちの機転で一度は落ち着いたものの、離陸後のドリンクサービスで女性客の怒りが再び爆発することになる。(文:篠原みつき)

「今すぐアルコールを出せ」突撃を繰り返す女性客とCAの攻防

離陸後、ドリンクサービスが始まると、真後ろの席から再び怒声が響いた。搭乗時の騒動を受け、機長まで報告が上がったのか、CAが女性客に対して「アルコールの提供はできない」と伝えたのだ。男性もこの判断に賛意を示している。

「もし彼女に酒が入れば、騒ぎは間違いなく次のステージへレベルアップしてしまう」

しかし酒が飲めないと知った女性は激昂し、前の座席を蹴りまくったようだ。「私のシートがガンガン揺れた」という事態に。さらに、アイマスクをして寝ていた隣の男性CAを叩き起こして通路を空けさせ、ギャレー(厨房)へ直行した。

「『今すぐアルコールを出せ』と、攻撃的な態度でCAさんたちを追い詰める」

ギャレーの中ではCAたちがチームディフェンスのように応戦し、「絶対にアルコールは出さない」という強い意志で女性を退けたという。

交渉に敗れた彼女は席へ戻り、

「3100ドルも払ってるのにアルコールも飲めないなんて有り得ない。クソだ」

と、再び周囲2〜3メートルに届く大音量で愚痴を垂れ流したそうだ。

「運悪く彼女の周囲に配置されてしまった搭乗客たちは、他人同士にも関わらず目配せを交わし、『えらい席引いたな』という空気で静かに連帯感を深めていた」

しかし彼女は数分後にはまた我慢できなくなり、隣で寝ている男性CAを起こしてギャレーへ突撃する行為をなんと3回も繰り返したそうだ。

警察に見つからないよう密売酒を受け渡すかのような動き

そんな騒ぎが繰り広げられる中、男性は「1年間頑張った自分へのご褒美」として、ビールが飲みたくなってしまった。

「CAさんたちからすれば、『ビール』という単語すら発してほしくない状況である。しかし私は、“状況わかってますので小声で”という雰囲気を全身から漂わせながら、『ビール、何がありますか?』とCAさんに声をかけた」

ミールカートにアルコールは積まれていなかったが、ギャレーに戻ったCAは迷惑客にバレないよう見事な対応を見せた。

「CAさんは、まるで禁酒法時代の地下バーで、警察に見つからないよう密売酒を受け渡すかのような動きで、無言のまま缶ビールをそっとテーブルへ置いた」

缶を開ける音が響くリスクはあったものの、結局迷惑客に気付かれることなく、瞬く間にビールを空けたという。

やがて飛行機は羽田空港に到着。男性は迷惑客の隣になった男性CAを「最後まで嫌な表情一つ見せず、静かに運航に協力していた」と称賛する。

座席の間の通路を歩きながらギャレーを通過すると、おせんべいを持ってきてくれたCAさんがいたという。

「『本当にごめんなさい、ありがとうございました。』と深々と頭を下げられた。『見事な対応でした。本当にお疲れ様でした』」

爽やかに挨拶を交わし、旅客機を後にした男性。最後に現場のスタッフをこう労っている。

「航空会社のCAさんたちは、今日も極限状態で現場で戦っている。そして明日もまた、何事もなかった顔で、『お飲み物はいかがでしょうか』とお客様に声を掛けるに違いない」

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