高市政権で宗教法人への課税強化案が浮上、「食料品消費税ゼロ」の財源に充てられる
X(旧 Twitter)では、今も「#統一教会自民党」「#高市早苗は統一教会関係議員」のように、自民党と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の関係を非難するハッシュタグが多数ある。
高市早苗首相に関しては、2024年に高市氏が代表を務める政党支部や資金管理団体が、天理教系企業へ合計約5000万円を支出していたことが週刊文春(文藝春秋)で報道されている。高市氏側は「政治団体の活動に必要な支出」と回答したが、地元の奈良県において天理教は強力な支持基盤の1つだ。
このように政治家・政党と宗教団体の関係がたびたび問題になるのは、憲法(20条、89条)は、国家が特定の宗教を支援・介入したり、逆に宗教が国家の政治権力を行使したりすることを禁じており、国家が宗教的に中立であることが定められているからだ。
いわゆる「政教分離」の原則である。
日本で政教分離はできているか
では、今の日本は政教分離ができているのかどうか。これは識者によって見解が異なる。読売テレビ「そこまで言って委員会NP」で、ジャーナリストの鈴木エイト氏は「表向きはできているが」と言い、劇作家の大野裕之氏は「宗教団体が同性婚や選択的夫婦別姓など個別策にも影響を及ぼしている」と問題視した。一方、中道改革連合の伊佐進一衆議院議員は「支援団体である創価学会から特定の政策をやってくれと一度も言われたことがない」と反論する。旧統一教会への摘発が遅れた理由について弁護士の野村修也氏は「(政治家への影響力ではなく)前例主義の役人が動けなかっただけ」と解説した。
宗教団体は公益性を理由に、税が優遇されている。不動産取得税や固定資産税、登録免許税などは原則非課税。おふせやお守りなどの収入も課税対象外だ。駐車場事業や賃貸経営などにかかる税率も、税法上は公益法人等に分類されるので一般企業より低税率だ。
中小企業と同じように、今は後継者不足に悩む宗教団体が多く、宗教法人の代表役員の地位を譲渡するケースが増えている。事実上、宗教団体の売買だ。
こうした中、宗教法人への課税強化が高市政権内で検討されており、食料品の消費税ゼロを実現するための財源として考えられているという。宗教法人の税優遇を見直せば、年間4~5兆円規模の税収確保になるとの見方もある。
社会学者の古市憲寿氏は「宗教法人の会計をもっと透明化すべき」指摘し、ジャーナリストの須田慎一郎氏は「宗教活動と営利事業を分けて考えるべき」と営利事業への課税強化を主張した。また、須田氏は法人税率軽減が狙いで宗教法人を買った知人の話を紹介した。野村氏は「休眠状態の宗教法人を脱税やマネーローンダリングに使う人がいる現状を是正すべき」とした。
仮に、新たな財源目的にせよ、宗教法人への課税強化が実現できれば、高市首相は自らの癒着疑惑を少しは払拭(ふっしょく)することができるのではないか。
文/横山渉 内外タイムス
