元横綱・照ノ富士の《新部屋計画》に両国の住民が猛反発…歌舞伎町「ロボットレストラン」仕掛け人が手がける「異例すぎる施設」
建築計画に記された「興行所」の謎
「タニマチとの間で金銭面の調整が続いていたそうなのですが、ようやく折り合いがついたのでしょう。建築計画の用途を見る限り、従来の相撲部屋の枠に収まらない『斬新な建物』になりそうです。完成が楽しみな一方、建築計画に記載された『興行所』という文言を住民たちは気にしています。インバウンドが増加して、この地域が騒がしくなるんじゃないかという不安があるのです」
聖地・両国国技館から徒歩5分ほどの距離に、元横綱・照ノ富士の伊勢ヶ濱親方(34歳)の新たな「相撲部屋」が建設される予定の更地がある。周囲を囲うシートに掲示された建築計画を見ながら、近隣住民は期待と不安が混じった表情でこう話した。
建築計画にある名称は「(仮称)両国4丁目 新築工事」。用途には「事務所、寄宿舎、住宅」と書かれている。そして、「興行所、店舗」という、相撲部屋としては異例の言葉が並ぶ。
「『両国の街を相撲で盛り上げたい』という強い思いを持つ親方は、現役時代からこの土地を押さえていました。インバウンド集客を想定した新部屋プロジェクトは壮大で、1階を全面ガラス張りにして外から稽古が見えるようにし、2階には土俵を見下ろしながら食事ができるレストランを併設するというもの。費用は土地の賃借料と建築費を合わせると総額25億円規模になるという報道もありました」(伊勢ヶ濱部屋の新部屋予定地の関係者)
だが、計画は思うように進まなかった。協会から「相撲部屋は見世物小屋ではない」と「待った」がかかり、約430平方メートルという土地は、昨年1月に賃借権が設定されたにもかかわらず、1年以上も更地状態が続いていた。
「興行所の内容に関する説明会を開いてくれ」
そうしたなか、4月15日に建築計画の標識が設置された。さらに4月28日には近隣住民向けの説明会が開かれたが、そこでの対応が住民の不信感に火をつけることとなった。説明会に参加した住民が、当日の様子を明かす。
「相撲部屋ができるとのことでしたが、肝心の部屋の関係者の出席は一切なし。出席したのは不動産仲介会社の社員だけで、そもそも伊勢ヶ濱部屋かどうかさえ明かさなかった。『皆さんご存じだと思いますが、私の口からは言えません』と頑なに伏せたままでした。
用途にある『店舗』については『飲食店になる』とのことですが、どんな形態の店舗なのか不明でした。運営主体が相撲部屋なのか、それともテナントで入るのか、説明する側は『わかりません』と話すのみ。すでに決まっているのでしょうが、守秘義務があるようでした。
なにより住民が一番知りたかったのは『興行所』の具体的な内容です。住民の多くが『インバウンドの観光客がバスで乗りつけ、騒がしくなるのではないか』との不安を抱えていますが、住民が質問しても『お答えできない』『わかりません』ばかり。結局、住民が知りたいことは何ひとつわからず、出席者からは『興行所の内容に関する説明会を開いてくれ』との要望が出ました」
住民が特に知りたがっているのが、建築計画に記された建築主についての詳細だ。その人物は、かつて新宿・歌舞伎町で外国人観光客に人気だったエンターテインメントショー施設「ロボットレストラン」のプロモーション責任者。説明会で「なぜその人物が建築主なのか」と質問が出たが、担当者は「そこまでは把握していない」とシラを切るばかりだったという。
たたでさえ住民は、近所に「興行所」を用途の一つとした建物ができることを懸念している。そのうえ、それを手がけるのがインバウンドに大人気の「ロボットレストラン」関係者となれば、いっそう不安が募るのは当然のことだろう。
1階に土俵、2階3階は飲食店で、4階にはテナント
じつは、伊勢ヶ濱親方が展開する「相撲ビジネス」はすでに物議を醸している。伊勢ヶ濱親方は2025年6月に部屋を継承すると、旅行会社と提携し、インバウンド向けの「相撲体験ツアー」を開始。1人1万5000円という高額な料金設定で、土俵で現役力士と「対戦」できるという異例の内容で人気を博した。ただ、「伝統軽視」との批判を浴びた上に、稽古場の近隣住民からも「朝だけではなく夕方までインバウンドが騒がしい。それなのに、部屋からは挨拶ひとつない」との怒りの声が出た。
こうした状況を受け、日本相撲協会が旅行代理店と提携した稽古見学ツアーの自粛を各部屋に通達する事態に発展した。
「協会が異例の通達を行った引き金は、間違いなく伊勢ヶ濱親方の暴走にあります。弟子・伯乃富士への暴力行為を受け、2階級降格処分が決まり、部屋付き親方4人との集団指導体制になることも決まった。事実上、師匠の権利をはく奪されたようなもの。現在の伊勢ヶ濱親方は完全に執行部から目を付けられている状態です。こうした逆風下での新部屋着工となります」(角界関係者)
説明会で配布された計画概要書によれば、地上7階建てのビルは今年8月1日に着工し、2028年2月29日の完成を予定している。1階には土俵が設けられ、2階と3階は飲食店で、3階は吹き抜けのある間取りだ。さらに4階にはテナントが入り、5階が大部屋、6階、7階は住居となるという。
建築計画に建築主として名前が記されていて、「ロボットレストラン」を手がけたことで知られる男性は、取材に対して次のように話した。
「まず前提として、(建物に入る相撲部屋が)伊勢ヶ濱部屋と決まっているわけではありません。現時点ではビルを建て、『テナントとして相撲部屋に入っていただきたい』と考えており、家賃交渉などを行っている段階です。伊勢ヶ濱部屋と交渉しているのは事実ですが、決まっておりません。『興行所』『店舗』については両国らしい施設にしたいと考えておりますが、具体的なことは決まっていません」
どうやら、相撲部屋もテナント入居を前提としているというのだ。一方、前出の角界関係者はこう話す。
「相撲部屋に『興行所』や『店舗』が入るのは異例。実際、協会から一度は『待った』をかけられた。その手前、テナントとして入るという体裁をとるのかもしれません。ある意味、協会への『挑戦状』とも言えます。野心的な計画の裏で、協会との溝は深まるばかりでしょう」
聖地・両国に誕生するのは、かつてない奇抜な相撲部屋か、それとも近隣住民と協会を巻き込んだ巨大な火種か。プロジェクトの進行に注目が集まる。
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