「辞めたくないのに、すごく悔しい」大阪地検トップからの性被害訴えた女性検事が辞表提出
大阪地検トップの検事正だった北川健太郎氏から性被害を受けたと訴えている女性検事のAさんが4月30日、勤務先の大阪地方検察庁を訪れ、辞表を提出した。
「辞めたくないのに、仕事をしたいだけなのに、すごく悔しい」
そう語るAさんは、本来続けるはずだった職を、自ら手放す決断を迫られた。
●虚偽のうわさ広まるも…検察は十分な対応取らず
北川氏は大阪地検の検事正だった2018年9月、大阪市内の官舎で、部下だったAさんに性的暴行を加えた疑いで、2024年6月に準強制性交の疑いで逮捕され、その後起訴されている。
Aさんは事件から約5年半が経った2024年春、被害を申告した。しかし、その後、検察内部で事実無根のうわさが広まるなどし、精神的な負担を強いられてきたという。
Aさんはこれまで、検察側に繰り返し対応を求めてきたが、十分な対策は取られなかったという。
このため、2026年3月に開いた記者会見で、第三者委員会による調査の実施などを求める要望書を法務大臣と検事総長に提出。受け入れられなければ辞職する意向を示していた。
●副検事の不起訴を不服、検察審査会に申し立て
この事件をめぐっては、Aさんに関する情報や捜査情報を北川氏側や第三者に漏らしたとして、副検事の女性が国家公務員法違反などの疑いで刑事告訴された。
しかし、大阪高検はこの副検事を不起訴とし、最も軽い「戒告」の懲戒処分にとどめた。
Aさんはこの日、この不起訴処分を不服として、検察審査会に審査を申し立てた。
その後、大阪地検の庁舎を訪れて辞表を提出。Aさんはこれまで「検事の仕事に復職をするために被害申告した」と語っていたが、結果として職場を去ることになった。
「辞めたくないのに、仕事をしたいだけなのに、すごく悔しい」
無念さをにじませながら、そう口にした。
一方で、この日は大阪地検の庁舎の前に30人以上が集まり、「ひとりにさせない」などと書かれたプラカードを掲げて支援の声を上げた。
辞表を提出する前にその光景を目にしたAさんは、「一人だと思っていたけど、たくさんの人が連帯してくれていると実感できたので、一番辛い日だったが、みんなに励まされてすごくうれしかった」と述べた。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)
