『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』©2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

写真拡大

 劇場版『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』へとつながる前日譚として4月11日に放送された、TVアニメ『名探偵コナン』の第1197話「旋風のコスプレライダー」。同エピソードでは、声優の高木渉が“1人4役”をこなしたことも大きな話題を呼んだ。

参考:劇場版『名探偵コナン』のキーマン? “隠れ有能キャラ”小嶋元太の活躍を振り返る

 そこで今回は、同作を代表する“兼ね役声優”高木の偉大さについて振り返ってみたい。

 あらためて説明しておくと、高木は『名探偵コナン』においてさまざまな役を演じていることで有名。具体的に言えば、少年探偵団のガキ大将・小嶋元太に始まり、同姓同名の高木刑事、作中の特撮番組に登場する子どもたちのヒーロー・仮面ヤイバーなどが挙げられる。

 「旋風のコスプレライダー」では、そんな高木の持ちキャラが多数登場。少年探偵団の面々が、「とある公園に毎朝仮面ヤイバーが現れる」という噂の検証を始めたところ、仮面ヤイバーのコスプレをしている富士宮猛という青年に出会う……というストーリーだ。

 劇中には、連続ひったくり事件の解決に駆り出された高木刑事も登場しており、元太や富士宮と会話を交わすところも描かれていた。

 4人分のキャラクターを演じ分ける技術もさることながら、驚異的な演技の振れ幅も注目ポイントだろう。無邪気な小学生の元太、マイペースで人のいい高木刑事、善人ではあるもののドジで情けないところのある富士宮、TVのなかのヒーロー・仮面ヤイバーと、まったく方向性の違う人物像を表現していた。

■『名探偵コナン』高木刑事誕生秘話 そもそも高木は演技の引き出しが多い声優。『名探偵コナン』以外で言えば、『GTO』の鬼塚英吉のような破天荒な熱血教師の役、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』の虹村億泰のような愛嬌のある不良役、『機動新世紀ガンダムX』のガロード・ランのような素直で元気な少年役まで、幅広い役柄を演じてきた。

 今回のエピソードはそんな高木の声優としてのポテンシャルが存分に発揮された回だったと言えるだろう。とはいえ高木はたんに器用なだけではなく、キャラクターに独特の存在感を与えることも得意としている。

 その象徴が、高木刑事の存在だ。元々はアニメ版で生まれた名なしの警官で、いわゆるモブキャラだった。しかしアドリブで名前を名乗ったことをきっかけとして、“高木渉”というキャラ名が正式に与えられることに。さらに高木刑事は原作にも逆輸入され、今では作品になくてはならない名脇役の座を獲得している。高木刑事がこれだけの人気を獲得するに至ったのは、なにより高木の演技に人を惹きつける魅力があったからだろう。

 思えば『名探偵コナン』の世界には、“ただの脇役”で終わる登場人物がほとんど出てこない。回を重ねるごとに脇役の一人ひとりにスポットライトが当たり、新たな設定が与えられていくからだ。高木はある意味で、同作の遊び心を象徴するような存在と言えるのかもしれない。

 なお高木は『名探偵コナン』以外の作品でも活躍しており、最近では4月1日からNetflixで配信された『ドロヘドロ Season2』の主人公・カイマン役を演じていた。粗野な乱暴者に見えるが実は明るい性格をしていて、子どものように純粋なところがある……という不思議な魅力のキャラクターで、こちらもハマり役として話題を呼んでいる。

 器用な演技と独特の存在感を併せ持った声優として、高木が今後もさまざまな作品で活躍するところを応援したい。(文=キットゥン希美)