埼玉県立小児医療センター、10代男性の死亡受け事故調査委を設置…転院難しい患者1人の髄腔内注射を実施する方針も明らかに
埼玉県立小児医療センター(さいたま市中央区)で、脊髄周辺に抗がん剤を投与する「髄腔(ずいくう)内注射」を受けた患者が神経症状を発症し、1人が死亡、2人が意識不明になっている問題で、同センターは20日の記者会見で、院内に事故調査委員会を設置すると明らかにした。
3人の髄液から使用禁止の薬剤「ビンクリスチン」が検出されており、外部識者を交えて原因を調べる。
事故調査委のメンバーは13人で、このうち6人は外部識者とする。22日に初会合を開く。
死亡したのは、2025年10月に注射を受けた10歳代の男性患者。意識不明の2人のうち、10歳未満の男性は25年1月、10歳代の男性は25年3月、それぞれ注射を受けた。検出されたビンクリスチンは血管内に投与する抗がん剤で、髄腔内注射での使用は禁じられている。25年に髄腔内注射を受けた別の患者2人も神経症状を発症し、下半身に麻痺(まひ)が残っている。ただ、髄液からビンクリスチンは検出されていない。
院内では25年11月から髄腔内注射を中止し、注射が必要な患者に転院を呼びかけてきた。同センターは記者会見で、転院が難しい10歳代の患者1人に対して今後、特例的に注射をすることも明らかにした。安全対策のため、幹部職員が調剤など全ての過程に立ち会い、ビデオでも撮影する。
