「トマト」の”3つの健康効果”とは?トマトジュースのメリットも管理栄養士が解説!
トマトに含まれるリコピンや栄養素の働きとは?メディカルドック監修医が、抗酸化作用による健康維持や、トマトジュース特有のメリットについて詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『いちごなどに含まれる「葉酸の効果」とは?不足すると現れる症状も管理栄養士が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修管理栄養士:
都々地尾 ゆき(管理栄養士)
介護老人保健施設で給食管理や栄養管理業務等、約10年間従事しました。その後、管理栄養士の資格を取得し、現在は同施設で栄養ケアマネジメント業務やおやつレクを担当しています。日々の食事を楽しんでいただけるよう、心を込めてサポートしています。
「トマト」とは?

鮮やかな赤色が特徴の西洋野菜で、ナス科ナス属に分類されます。大玉からミニトマトまで大きさや形・色も様々で、世界中に1万種類以上あるといわれています。原産地は南米アンデスで、日本では生で食べることが多く、食卓に登場する機会の多い野菜です。トマトは一般に緑黄色野菜とされていますが、厚生労働省の基準では「可食部100g当たりカロテン(カロチン)含量が600μg以上の野菜」を緑黄色野菜と定義しています。トマトのカロテン含量は100gあたり600μg未満であるため本来は淡色野菜に分類されますが、1日の摂取量が多く、1食あたり120g以上食べられることが見込まれるため、例外的に緑黄色野菜に分類されています。
トマトに含まれる栄養素

β-カロテン
生のトマト(中玉100g)には約540μg、ミニトマト(100g)には約960μgのβ-カロテンが含まれています。β-カロテンはカロテノイドの一種で、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるため「プロビタミンA」とも呼ばれます。また、同じカロテノイドの仲間であるリコピンはトマトの赤色の色素成分で、抗酸化作用が強いことで知られています。リコピンの抗酸化力は実験条件によってはβ-カロテンやビタミンEよりも強いとされ、健康効果について研究が進められています。赤みが濃いトマトほどリコピンを多く含む傾向があります。
ビタミンC
生のトマト(中玉100g)に含まれるビタミンC は15mg、ミニトマト(生100g)だと32mg含まれています。水溶性のビタミンでコラーゲンの合成に関与しています。
ビタミンE
生のトマト(中玉100g)に1.1mg、ミニトマト(生100g)に1.4mg含まれています。脂溶性ビタミンで、過酸化脂質の生成を抑制する効果があります。
カリウム
生のトマト(中玉100g)に210mg、ミニトマト(生100g)に290mg含まれています。人体に必要なミネラルの一種で、浸透圧の調節をする働きがあります。また、余分なナトリウムを体外に排出する働きもあるため、正常な血圧を保つのに必要な栄養素です。
食物繊維
生のトマト(中玉100g)に1.0g、ミニトマト(生100g)に1.4g含まれています。腸内環境を整え、便秘解消に役立ちます。
トマトの健康効果

肌の健康を保つ
トマトに含まれるリコピンやビタミンCは、抗酸化物質として働き、酸化ストレスを防ぎ細胞を保護するのを助けます。コラーゲンの生成や鉄分の吸収を高め、肌の健康維持に役立ちます。
がんのリスクを低減
トマトに含まれる栄養素には、抗酸化作用を持つものが多く含まれています。抗酸化作用には、体内で発生する活性酸素によるダメージから細胞を保護する働きがあります。活性酸素は動脈硬化を引き起こす物質を作りだし、増加することでがんの発生リスクが高まります。トマトに含まれるリコピンには、強い抗酸化作用があるため、がんの発症リスクを低減するという研究結果もあります。
免疫機能を保つ
トマトに豊富に含まれるリコピンには、強い抗酸化作用があり、免疫機能の維持や動脈硬化の予防にも効果があると期待されています。
トマトジュースの健康効果

カロテノイドの一種であるリコピンの吸収性は、生野菜よりも加工品からの摂取の方が2~3倍も吸収しやすいことが示されています。食塩が入っているトマトジュースは、ナトリウムの過剰摂取につながる恐れがあるため、飲み過ぎには注意が必要です。
血圧上昇を抑える
トマトには「GABA(γ-アミノ酪酸)」というアミノ酸の一種が含まれています。GABAは血圧を下げる働きがあるとされますが、トマトジュースに含まれる量は野菜全般と同程度であり、必ずしもそれ自体で大きな効果をもたらすとは限りません。一方、トマトジュースを継続的に摂取することで血圧低下に寄与したとする研究が報告されており、特にリコピンなどの抗酸化成分が関与していると考えられています。日常的に取り入れることで、血圧維持に役立つ可能性が期待されています。
コレステロール値の改善に関与
リコピンの継続的な摂取により、コレステロール値の改善に効果があると期待されています。総コレステロールとトリグリセリド値を低下させ、HDLコレステロールを増加させるという研究結果が示されています。
骨の健康維持
リコピンには抗酸化作用があり、骨代謝に関与する可能性が示されています。観察研究や一部の試験では、リコピンの摂取が骨密度の低下や骨折リスクに関わる指標の改善と関連する可能性が報告されています。ただし、ヒトでのエビデンスはまだ十分ではなく、明確に骨折リスクを下げると結論づけることはできません。トマトジュースをはじめ、日常的にトマトを取り入れることは、骨の健康維持に役立つ可能性が期待されています。
「トマトの効果」についてよくある質問

ここまでトマトの効果を紹介しました。ここでは「トマトの効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
トマトは朝と夜どちらに食べると良いですか?
都々地尾 ゆき
リコピンに関しては、朝の方が吸収率が高く効果的であるといわれています。また、夜の摂取では睡眠の質が改善される可能性があるという報告もあるため、どちらが良いという明確な研究結果はまだありません。
トマトを食べ過ぎるとどんな症状が現れますか?
都々地尾 ゆき
下痢や消化不良、ごくまれにアレルギーのような症状が出ることがあります。
まとめ
トマトはリコピンやβーカロテンが豊富に含まれており、健康や美容に役立つ食材として注目されています。今のところはっきりとした研究結果がない部分もありますが、毎日継続的に摂取することでより効果を発揮します。また、摂り過ぎも注意が必要なため、バランスの良い食生活の一助として、トマトやトマトジュースを日々の食事に取り入れてみてください。
「トマト」と関連する病気
循環器系の病気
高血圧心血管疾患
動脈硬化免疫系の病気
悪性腫瘍
内分泌系の病気
糖尿病婦人科の病気
骨粗鬆症「トマト」と関連する症状
関連する症状
シミそばかす
肌荒れ
くすみ
血流改善
むくみ改善
下痢
便秘疲労回復
仮性アレルギー
コレステロール改善
参考文献
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省
トマトまるごと まるわかり!|農林水産省
トマト|JAグループ
