中山美穂(C)日刊ゲンダイ

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【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】

故・中山美穂さんの遺産めぐる「相続トラブル」報道の実相…ひとり息子の相続放棄で、確執の実母に権利移行か

 2024年12月に54歳の若さで亡くなった中山美穂さんの遺産を、ひとり息子が放棄したと報じられ大きな話題となっている。

 中山さんの遺産はアイドルの頃からの楽曲印税や著作権、不動産や有価証券などを合わせると20億円を超えるのではないかと報道された。

 離婚した作家でミュージシャンの辻仁成との間にもうけた長男(22)が唯一の相続人という格好だったが、その息子が相続放棄したというのだ。

 理由としては、資産規模が大きいがゆえに、相続税も大きく、その支払いが難しくなったのではないかといわれている。相続税は、基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を引いた最高税率が55%(6億円超)になり、11億円近くにのぼる。これを本人の死後10カ月以内に現金一括で納付しなくてはいけない。

 もちろん、不動産などは処分することもできるが、著作権などの権利関係の売買は難しいし、買う側も数が限られるので、金額もかなり減ってしまうことが予想される。不動産も同じことで、売り急ぐと足元を見られることが多い。

 となると、処分して税金を支払っても手元に残る金はわずかで、面倒くささを考えて放棄という選択もあり得るだろう。相続の権利は第2順位(親)、第3(きょうだい)に移るが、中山さんがきっかけで、日本の相続税が高過ぎるのではないかといった議論が国会でも取り上げられた。

 取材を通じて、生の中山美穂さんを見てきた当方としては、素直で明るい受け答えをして好印象だった彼女が思い出されるし、長いタレント人生の中で何度か失意の期間を過ごしてきたであろうことも想像できる。

 元夫との結婚でパリに移住して新しい生活を送っていた頃のことだ。所属事務所の幹部が「アイドルから女優に脱皮を成功させ、ようやく仕事を選べる女優になった」と喜んでいた矢先の海外。「これじゃあ、仕事を入れられない」とボヤいていたが、本人はそれでも出産と子育てをがんばっていた。離婚となり、息子に父親と母親のどちらと暮らしたいかを選ばせたら父親を選んだというので、彼女はひとり帰国して仕事復帰した。その後、息子に会いたいという思いはかなわず、またマネジメントを任せていた実母との確執もあり、結果、孤独な中年期を送っていたように思われる。財産はいずれ息子や孫に使ってもらいたいと蓄えていたのかもしれない。

 あの“笑顔の中山さん”を知っているだけに、あの時の表情がうら悲しく思い出されて仕方ない。

(城下尊之/芸能ジャーナリスト)