Joe Bloss/CNN Underscored

(CNN)ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でイタリア代表が躍進した理由は、ダグアウトに置かれたラバッツァのエスプレッソマシンではない(少なくとも筆者はそうは思わない)。だが、イタリアが選手層の厚い米国代表を破り、過去20年の大会で最高の成績を収めたことで、ホームランセレブレーションに使われた手頃な価格のエスプレッソマシンは一躍、カフェインの助けを借りたエネルギーあふれる戦いぶりの象徴となった。選手はフェンスを越える一打を放つたび、ベースを1周してベンチに戻り、ハイタッチもそこそこに熱いコーヒー1杯に迎えられた。

筆者は今でこそ各種のコーヒーメーカーを試して製品レビューを書くライターだが、以前は野球の取材をしていた。このため、二つの分野が交差するところで生まれた今回のトレンドを見て、ふと思った。イタリア代表のベンチにあったあのエスプレッソマシンは本当に良いものなのだろうか? 私はスポーツ界で一躍話題をさらったマシンと同一のモデルに加え、やや上位のモデルも実際に使用してみて、ラバッツァ・クラッシーミニとラバッツァ・クラッシープラスが過去に試した他のシングルサーブコーヒーメーカーと比べてどうなのかを考察した。(ネタバレ注意:どちらのマシンも今のところ、私に運動能力を授けてくれていない)

気に入った点本当においしいポッド式コーヒー

呆(あき)れられてしまうかもしれないが、私はふだん、ポッド式のコーヒーメーカーが嫌いな人間だ。キューリグが頼りという家に住んだ経験もあるし、妻も私と出会う前はネスプレッソを持っていたが、シングルサーブコーヒーの分野を代表するこの2大製品はどちらも私には合わなかった。CNN Underscoredが最高のシングルサーブコーヒーメーカーに選出した「Bruvi BV-01 Brewer」を試すまでは、このカテゴリーの製品はどれもこれもスペースの無駄遣いで、もっと良いコーヒーを淹(い)れる時間がないときの手軽なカフェイン補給にしか使えないと思っていた。

ラバッツァの「Expert」コーヒーカプセルを試した結果、私はまたしても考えを変えることになった。ラバッツァの業務用ラインの「Blue」ポッド以外では、クラッシーシリーズのマシンに対応しているのはExpertカプセルのみで、他社製品は使えない。

私が試したExpertのバラエティーパックは素晴らしかった。きちんとしたコーヒー店を訪れ、熟練の職人が1万ドルのマシンからつくる淹れ立ての1杯を飲む経験と同じか、と言われれば違う。それでも、ボタン一つでこれほど深みのある風味を出せる点には、大いに感心させられた。私が試した中では、「Espresso Intenso」が特に力強い味わいで際立っていた。表面に浮かんでいるのは本物のクレマで、偽エスプレッソのわざとらしい泡ではない。

間違えてほしくないのだが、ここで使われている豆は深煎りだ。私がふだん飲むコーヒーは浅煎りのハンドドリップが中心のため、慣れが必要だった。苦みの強いコーヒー――大衆食堂で出てくる土っぽい香りのコーヒーが思い浮かぶ――が好きな人なら、ラバッツァのポッドでその経験を味わうことができる。それが少量のショットに濃縮されているだけだ。ダブルショットや8オンスの容量を想定したポッドも用意されている。

トップクラスの手軽さ

シングルサーブのコーヒーメーカーと言えば、売りは手軽さだろう。この点、クラッシーミニはこれ以上ないほどシンプルだ。加熱にかかる時間は40秒。余計なアプリはなく、ボタンはエスプレッソとルンゴ(より多くのお湯で長めに抽出するエスプレッソ)の二つだけだ。前者は1.35オンス(40ミリリットル)、後者は多めの4オンス(120ミリリットル)を淹れてくれる。

もう少し細かく調整したい場合、標準的なエスプレッソマシンでは必ずある工程だが、ボタンを長押ししてその都度抽出量を設定できる。エスプレッソを2オンス、ルンゴを8オンスのアメリカーノに近い量にしたければ、ご自由に。マシンがこうした好みを保存してくれるので、毎回ばらつきのない仕上がりが得られる。調整したければいつでも再設定でき、設定が永久に固定されるなどということはない。

私が愛用するエスプレッソ用カップはセラミック製の「イエティ・ランブラー 4オンス スタッカブル・エスプレッソ・カップ」なので、ルンゴの設定を調整して、デフォルトの120ミリリットルよりわずかに少なめに設定し直した。おかげで、カップをマシンから取り出すたびにこぼさずに済むようになった。好みに合わせてこうした微調整を加える以外には、何も考えなくてもおいしい本格エスプレッソを淹れることができる。文句なしだ。

カウンターの場所を取らない

キッチンカウンターのスペース争奪戦が終わりなき戦いであることは、卓上家電のテストを仕事にしていなくても一目瞭然だろう。その戦いにおいて、クラッシーミニは素晴らしい働きをしてくれる。このコンパクトなエスプレッソマシンは幅5インチ(約12.7センチ)強、奥行き13インチで、高さは10インチ。筆者はテストのために別のエスプレッソマシンをカウンターからどかしたのだが、クラッシーミニとクラッシープラスを2台並べても同程度のスペースしか取らなかった。遠征にミニを持ち運んでいる野球チームがあることを思えば、この設置面積の小ささも納得がいく。

キャビネットの下に置くなら、マシンの上に十分なスペースを確保するようにしたい。クラッシーミニもクラッシープラスも取っ手を持ち上げてポッドを入れる構造になっている。クラッシーミニでは少なくとも4.5インチの余裕が必要だ。

価格は初期費用も長期的にも妥当

クラッシーミニの最大の魅力はおそらく、コーヒーに多額の費用をかけずに済む点だろう。マシン自体もお買い得だが、ポッドのコストパフォーマンスも優れている。アマゾンで売られている36個入りのパックは、ポッド1個あたり0.83ドル。ラバッツァを通じて定期購入すればもう少し節約できる。これなら初期投資は妥当な額に収まり、長期的にも無理な支払いを続けずに済む。

さらに手頃な価格に抑えるなら、モカポットなどでも濃厚なイタリアンコーヒーを淹れることは可能だ。価格は40ドル程度しかかからない。ただ、それでは本物のエスプレッソにならないし、クラッシーミニほど短時間で抽出できるわけでもない。

気になった点ミルク系ドリンクは高くつく

私はクラッシープラスよりも、クラッシーミニの方が気に入っている。製品の強みであるシンプルさ、コンパクトな形状、価格の手頃さという特徴に忠実だからだ。ただ、エスプレッソはラテをつくる材料に過ぎないという考えなら、クラッシープラスにアップグレードする必要がある。

クラッシープラスは水を入れるタンクのサイズがより大きい。さらに決定的な違いとして、ミルクを泡立てる専用マグカップが付属していて、そこにエスプレッソを直接抽出することができる。泡立て用のマグカップをドリップトレーに置くと、カチッと音を立ててマシンにセットされ、ラテかカプチーノ、マキアートを選択するオプションが有効になる。クラッシーミニと同様に、あとはボタンを押すだけだ。マシンがあなたの代わりにミルクを泡立て、スチーム加熱もしてくれるので、技術は一切必要ない。今回のテストでは、カフェ並みのきめ細かい泡を再現することはできなかったが、それはこの価格帯の製品では無理な話だ。筆者は単体のミルクフォーマーを使ってもっとひどいラテを作ってしまった経験がある。

追加コストに見合う価値がクラッシープラスにあると考えるかは、完全にユーザー次第だ。クラッシープラスがセール中であれば大した価格差ではないものの、筆者ならクラッシーミニを使い続ける。私自分がブラックコーヒー派なのは正直に認めるが、このシリーズのマシンが本領を発揮するのは、シンプルなエスプレッソを淹れてもらい、それ以上何も望まない時なのだから。

カプセルの種類に限りがある

ラバッツァのExpertカプセルのおいしさには感心させられたが、試せるラインアップは限られている。うまくいけば、自分の好みやコーヒー習慣に合うものがいくつか見つかるだろう。

とはいえ、他のコーヒーメーカーの方が選択肢が多いことに触れない訳にはいかない。CNN Underscoredのテストライターを務めるミシェル・レイウィー氏は350ドル未満のエスプレッソマシンを多数試しており、「Breville Bambino」や「Casabrews 3700 Essential」といった彼女のおすすめ製品なら自前のコーヒー豆を使用できる。シングルサーブのBruvi B-Podsでさえスペシャルティーコーヒーに対応しており、詰め替え可能なポッドを使う選択肢も用意されている。

結論

WBCのイタリア代表にとってラバッツァ・クラッシーミニが魅力的だった理由は理解できる。このエスプレッソはイタリア風と言うにふさわしく、衝撃的なほどクオリティーが高い。抽出の早さはベースを駆け抜けるダンテ・ノリさながらだ。(これが誰だか知っていたら相当なものだ)

もっとも我々は、イタリアの強打者ビニー・パスカンティーノのように、ホームランを放った後にエスプレッソを飲むわけではない。ただ手軽に淹れられて、おいしく飲めるコーヒーがほしいだけだ。こうした制約があっても良ければ、ラバッツァ・クラッシーミニが手頃な選択肢になる。クラッシープラスという上位機種もあるが、私の中ではミニの方が優れている。あまり複雑なことを考えたり、クラシックな味わいを薄めたりせずとも、手軽にエスプレッソの世界への扉を開いてくれるからだ。


本稿はCNN Underscoredのジョー・ブロス記者による製品レビュー記事です。

CNN Underscoredが信頼できる理由

製品のテスト・調査・推薦に長年の経験を持つベテランのライターや編集者がそろったCNN Underscoredでは、各記事を丁寧に編集し、製品を適切に調査するよう徹底しています。各製品を正確にテストし、各アイテムの長所・短所を確実に考慮したうえで最良の製品のみを推薦できるよう、適宜第一人者の専門家にも話を聞くようにしています。