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 ◇「ばけばけ」松野(雨清水)トキ役・郄石あかりインタビュー(3)

 俳優の郄石あかり(23)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「ばけばけ」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)も残り1週(5回)。23日から最終週(第25週)「ウラメシ、ケド、スバラシ。」に入る。主人公・トキと夫・ヘブンの物語もフィナーレ目前。朝ドラ初出演にして初主演を全うした郄石に、約10カ月間にわたる撮影の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「バイプレイヤーズ」シリーズやNHK「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」など会話劇に定評のある、ふじきみつ彦氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算113作目。松江の没落士族の娘・小泉セツと、その夫で日本の怪談を世界に紹介した明治時代の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルに、怪談を愛してやまない夫婦の何気ない日常を描く。

 撮影が進み、その時々に「トキは自分そのもの」と語ってきた郄石。今回のインタビューでも「ヒロイン発表(2024年10月)の時に、ふじきさんから“郄石さんのままでやってください”と送り出していただいたんですが、いざ現場に立ってみると、トキの言動に対して違和感を抱くことがなく、それが最後まで続きました。役と自分がここまで近しい感覚を持っているのは初めてです」と振り返った。

 例えば、第15回(昨年10月17日)。出生の秘密について、雨清水傳(堤真一)は「おまえは…わしとおタエ(北川景子)の子ではない。松野司之介(岡部たかし)と松野フミ(池脇千鶴)の子じゃ。生まれた時から、そしてこれからも、ずーっと…」。トキは「そのこと“も”知っちょります」と答えた。

 「“私だったら、こう言うな”と思っていた台詞が、そのまま書いてあって驚きました。最初の頃は、トキの言動の選択が“自分と似ている”“私っぽいな”という発見がいくつもあったんです。ただ、それも途中から意識しなくなりました」。それほど馴染んだ役でも、カットがかかれば「一線を引くことができて、素の自分に戻っている感覚はありました」と引きずることはない。クランクアップした後も「“なして”とか、出雲弁が出るぐらいです。キャスト・スタッフの皆さんに会えないのは寂しいですが、『ばけばけ』という作品、トキという役は素晴らしい形で出来上がったので。そのうれしさの方が大きいです」と最終週を前にした心境を明かした。

 今月13日、同局「あさイチ」(月〜金曜前8・15)に生出演。チーフ演出の村橋直樹監督から「“朝ドラヒロインになるのが夢”と公言していましたが、次の夢は“朝ドラヒロインではなくなること”ですね。“あー、郄石あかりって、そういえば昔、朝ドラヒロインだったっけ”と言われるくらいに、郄石さんにとっての最高傑作を更新し続けてもらいたいし、きっとそうなるんだと思います」と激励の言葉が届いた。

 朝ドラヒロインをやり遂げた後の目標・展望は?の質問にも「皆さんに驚いていただける役者になれたら、と思います。これからの作品をご覧いただけた時に“あの役の人、『ばけばけ』のおトキちゃんだったんだ。気づかなかった”と。作品によってイメージを変えていって、皆さんに面白がっていただけたら、うれしいですね」。それも、トキの愛すべき日常を生き切ったからこそ言える理想像。さらに“化ける”次回作が待ち遠しい。

 =インタビューおわり=