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「錆びる」と呼ばれた時代も

現存するトライアンフ・ヘラルドは、歴代のオーナーによって手が加えられた例が多い。自宅のガレージで整備・改造され、走りを楽しまれてきたはず。オリジナル性を重視するなら、内容を丁寧に確かめたい。

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エンジンやトランスミッション、サスペンション自体が交換されていても不思議ではない。スピットファイア用のツインキャブレターや、オーバードライブ付きのMTが載っている場合もある。


トライアンフ・ヘラルド(1959〜1971年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

ヘラルドは、一部の人から「錆びる」と呼ばれた時代もあった。しかし、それは少々不当。ボディシェルには密閉されたボックスセクションがなく、裏側でサビが進行する心配はない。対策は容易で、情熱を注げば止まらない酸化へ悩むことはないだろう。

それでも、錆びることは事実。修復時に、シャシーレッグがボディへ溶接されてしまう例もあるようだ。

エンジンは堅牢 好調を保ちたいジョイント

エンジンは基本的に堅牢。異音や、冷却水とオイルの漏れがないか確かめたい。MTは滑らかに変速できるか、走行中にギア抜けしないか確認したい。50km/h程度から異常振動が出る場合は、プロペラシャフトのユニバーサルジョイントの劣化が疑われる。

発進時や旋回時にガタガタ揺れる場合は、デフやドライブシャフトのユニバーサルジョイントが原因かもしれない。ブレーキは、乗る頻度が少ないと固着を招く。


トライアンフ・ヘラルド(1959〜1971年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

ステアリングコラムは、良好なら遊びが少ないはず。ラックエンドのガタツキや、コラム部分のユニバーサルジョイントの劣化もチェックポイント。不安があるなら、トライアンフを得意とするガレージを頼りたい。

コンバーチブルのシャシー番号には、CVが付記される。またドアには、走行中に開かないよう固定するペグが備わるのが正解。剛性低下は限定的だが、ボディパネルの大きなギャップは珍しくない。今回の例のような、ジャスミン・イエローの塗装は貴重だ。

購入時に気をつけたいポイント

ボディとシャシー

シャシーのメインレール、サスペンション・マウントやデフ付近、クロスメンバー、アウトリガー、サイドレールなどが錆びやすい。ボディはシャシーのマウント付近、ボンネットの先端、フェンダー、バルクヘッド、フロントガラス周辺などが弱点。

他にもサイドシルやドアの底面、ルーフパネルとトランクリッドのエッジ、荷室のフロアなども錆びる。フロントのバンパー裏、バランスパネルはFRP製へ置換するのが一般的な対策方法といえる。

エンジン


トライアンフ・ヘラルド(1959〜1971年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

スタンダード社による4気筒エンジンは、強力ではなくても信頼性が高い。滑らかに回り、反応も良い。前端のプーリーが、クラッチを踏んだ時に動く場合は、スラストベアリングの交換を検討したい。バルブシートは頑丈だが劣化する。オイル漏れにも要注意。

トランスミッションとブレーキ

トランスミッションやデフからのフルード漏れがないか確かめる。走行中の異音にも注意したい。キングピンは固着を防ぐため、1万km毎にグリスアップが必要。ブレーキのスレーブシリンダーとキャリパーも固着しがち。

インテリアとソフトトップ

シートトリムは現在でも購入可能だが、ベージュのカーペットは入手困難。傷んだソフトトップは社外品へ交換できるものの、多くは寸法が微妙にズレている。ウインドウ付近の収まりがきれいか、観察したい。

トライアンフ・ヘラルドのまとめ

特徴的なスタイリングと乗りやすさ、信頼性の高さなどから、マニアから愛されているヘラルド。クラシックカーとして価値が高騰する可能性は低いかもしれないが、安価に維持でき、自動車旅行にも使える。幸せを運んできてくれるはず。

ただし、経年劣化はする。ドライブトレインから異音が聞こえる場合や、ボディとシャシーのサビが酷い例は、避けた方が良いだろう。

良いトコロ


トライアンフ・ヘラルド(1959〜1971年/英国仕様)    ジェームズ・マン(James Mann)

英国には得意とするガレージが多く、オーナーズクラブの活動も活発。シンプルな構造で整備しやすく、手入れが行き届いていれば信頼できる。エンジンなどの修理部品は安価に購入でき、ボディパネルやトリム類も入手しやすい。

良くないトコロ

フルレストアしても、元を取れるほど価値は高くない。歴代のオーナーによって、各部が変更されている例が多い。

トライアンフ・ヘラルド(1959〜1971年/英国仕様)のスペック

英国価格:672〜824ポンド(新車時)
生産数:54万8291台
全長:3885mm
全幅:1525mm
全高:1300-1320mm
最高速度:114-135km/h
0-97km/h加速:17.5〜31.1秒
燃費:10.6-14.2km/L
CO2排出量:−
車両重量:802-889kg
パワートレイン:直列4気筒948・1147・1293cc 自然吸気OHV
使用燃料:ガソリン
最高出力:35ps/4500rpm-61ps/5000rpm
最大トルク:6.7g-m/3000rpm-10.0kg-m/3000rpm
ギアボックス:4速マニュアル/後輪駆動