できる営業はどこが違うのか。テレアポによる法人営業で月1000万円の利益を生んだ実績を持つReverent社長の吉村恭平さんは「短時間で興味をもってもらうことが重要だ。相手が悩んでいるタイミングで『最後のひと押し』となるキラーフレーズがある」という――。

※本稿は、吉村恭平『3分だけ会う時間を僕にください 成果ゼロから月一千万の利益を生み出したトップ営業マンのテレアポ術』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/Jacob Wackerhausen
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Jacob Wackerhausen

■アプローチの順番は「社長→専務→常務→営業部長」

テレアポはリストアップした企業に電話をかけていきますが、まずおすすめなのが、SNSで多く発信していたり、メディアに多く登場するなど、情報が多い企業から順に電話をかけること。

事前に多く情報をもっているだけで、心理的に落ち着いて話せますし、興味を引くトークもしやすく、相手からの質問にも対応しやすくなります。

さらに、決裁権者とのアポ獲得率がぐっとあがるテレアポトーク例もたくさんお伝えします!

ここで紹介するのは、私が実践してきた「段階式テレアポ」。

これは、社長→専務→常務→営業部長と、企業の意思決定層の上から順にアプローチしてみる戦略です。

あなたの商品・サービスが、本当に企業の決済権者に響くものであれば、最初からその層に向けて話すことが、もっとも誠実で、もっとも成果につながる方法なのです。

では、どこからスタートするのか。ズバリ、ここです。

「A株式会社のBと申しますが、C社長はいらっしゃいますか」

最初に社長(決裁権者)を指名してください。「社長」という肩書きだけでなく、きちんと社長の名前も告げます。

そして、社長が不在なら専務、常務といった役員クラスを順に指名していきます。

この方式では、一般的な「ご担当者様はいらっしゃいますか?」というファーストフレーズは通用しません。

なお、あなたに何か肩書きがあったら必ず伝えましょう。また、以前訪問したことがあれば、その旨を伝えます。

そのほうがどういう立場の人から電話が来たかわかるので、電話を取り次いでもらえる率は格段にアップします。

■「代表者・役員の名前(決裁権者)」をメモしておく

「いきなり社長を指名するのは失礼では?」とためらう方も多いですが、スムーズに取り次いでもらえることも少なくありません。

特に従業員100名以下の中小企業であれば、決裁権者とお話しすることは十分可能です。

私は、300名規模の会社に電話して、社長につないでもらったこともあります。

決裁権者に直接アプローチするためには、事前に作成した企業リスト(図表1)に「代表者・役員の名前(決裁権者)」を記入しておくことが前提となります。

『3分だけ会う時間を僕にください』より
【社長を指名する場合のトーク例】
あなた 「A株式会社のBと申しますが、C社長はいらっしゃいますか」
受付 「Cは、ただいま外出しております」
あなた 「そうですか。では、いつお戻りでしょうか」
受付 「明確な時間はわかりません。どのようなご用件でしょうか?」
あなた 「実は社長とお話ししたいことがありましたが、それではD専務はいらっしゃいますか? D専務は社長の右腕でいらっしゃると思うので、お話しさせていただければありがたいです。」

■「誰が決裁権者か」を判断するコツ

このように、社長が不在の場合は、専務や常務など、役職の上のほうから順番にアプローチしていきます。

役員クラスも決裁権をもっていることがあるからです。

意外と専務の方が電話に出てくれるケースはよく体験しています。

少数精鋭の会社であればあるほど、決裁権者はそれほど遠い存在ではありません。

もちろん、大企業の社長に直接つながるのは難しく、役員や部長クラスが実質的な決裁権をもっていることも多いです。

そのため、企業の規模に応じて「誰が決裁権者か」を判断することが大切です。

中小企業:社長や専務が決裁権者であるケースが多い。
大企業:それぞれの部門で決裁権をもつことが多い。

特に中小企業では、トップダウンで物事が決まりやすく、社長の一言で導入が即決されることもあれば、逆に「社長が今のタイミングではないと導入を見送る」というケースも珍しくありません。

また、2代目・3代目の経営者が新たな挑戦をはじめるタイミングでは、過去に断られた提案が再び検討される可能性もあります。

こうした「再チャレンジ」が可能なのも、中小企業ならではの魅力です。

■大切なのは、相手の時間を大切にする姿勢

途中で断られてしまった場合も、気にせず「今回はご縁がなかった」と思って、次の企業にどんどんチャレンジしていきましょう。

もちろん、すぐに社長(決裁権者)につながらないことは珍しくありません。しかし、たえば会社の規模が100名以上でも、トークの工夫次第で社長に代わってもらえるケースは多く、実際に私も、次の方法で社長に代わっていただけたケースが何度もありました。

もしも、電話に出たのが明らかに決裁権をもたない部署の社員だったり、もしくは役員クラスでも決裁権者かどうかわからない場合、こんなふうに確認してみましょう。

「今、Eさんにこの商品のご提案をしていますけれど、これはEさんが決められる案件ですか?

もしそうでなかったら、Eさんの貴重なお時間をムダにしてしまいかねないので、決裁できる方を教えていただけますか?」

こう聞くと、「私では決められないので、上司につなぎます」と、スムーズに対応してくれることもあります。さらに、その上司も決裁権がない場合は、同じように確認しながら、最終的に決裁権者にたどり着くことを目指しましょう。

大切なのは、相手の時間を大切にする姿勢を見せることです。

写真=iStock.com/koumaru
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/koumaru

■丁寧すぎる言葉遣いは逆効果

営業にかぎらず、ビジネスでは敬語マナー

しかし、テレアポでは「丁寧すぎる言葉」が逆効果になることもあります。

たとえば、

「突然のお電話で大変恐縮です。お忙しいところ、お時間をいただき、誠に申し訳ございませんが……」こうしたへりくだりすぎる冗長な言い回しは、忙しい社長相手には逆効果です。

「それなら、かけてくるなよ」と感じさせるリスクがあります。ではどうすればよいのか? たとえばこんな一言で切り出します。

「恐れ入りますが、御社にとっての有益な情報をお伝えできますので、社長、お時間いただけますか?」

このくらいの少しフランクな入り方のほうが、相手にも緊張感を与えず、あなた自身もかまえず話せるはずです。

たしかに、顔が見えないうえ、相手は社長。

しかし、「こんな言い方をしたら失礼じゃないか?」と考えれば考えるほど、緊張してうまく話せなくなります。そちらのほうが問題です。

気負わずリラックスすることで、自信をもって伝えたい内容を上手に伝えることができます。

社長もあなたに合わせて、気軽に対応してくれる可能性が高くなります。

■営業トークの「4大ポイント」

社長は時間にシビアです。短時間で興味をもっていただけるようトークをしなければ、電話を切られてしまいます。

次の4つのポイントをトークに入れましょう。

【最初に必ず伝える4つのポイント】
?自分が何者か(名乗り)
?電話の目的は何か(何の話か)
?商品の実績や強み
?相手にとって役立つ情報

「A株式会社のBと申します(?)。

弊社の商品『C(例:クラウド勤怠管理サービス)』について提案させていただきたくて、お電話をいたしました(?)。

『C』はありがたいことに、ご支持をいただき、業界でのシェア率ナンバー1です(?)。

御社のホームページを拝見したのですが、人手不足にお悩みがあるように感じました。それについてもお役に立つ情報をご提供できると思います(?)。」

そして、社長から「こういうのってどうなの?」「うちは今、間に合ってるよ」などと話していただくなど、やりとりを4回ほど重ねていきます。

■「3分だけ僕に時間をください」

そして、社長が「うーん」と少し悩んでいるタイミングで、こう切り出してみてください。

吉村恭平『3分だけ会う時間を僕にください 成果ゼロから月一千万の利益を生み出したトップ営業マンのテレアポ術』(飛鳥新社)

「D社長、実はお会いさせていただいてしっかりお伝えしたい情報もありまして。大変お忙しいと思いますが、損はしないご提案をさせていただく自信がございますので、3分だけ僕(私)に時間をください。

僕の話が面白くなかったら3分で帰りますのでちょっとお願いできませんか?」

最後のひと押しで、「3分だけ」という一言がアポ獲得の決め手になります。もし途中で断られたら、「わかりました。出直しさせてください」と引きさがりましょう。

「そんな一言で会ってくれるとは思えない」というあなたの心の声が聞こえそうです。でも安心してください。

私自身、何百社もの社長にこの言葉で訪問の許可をもらい、3分どころか数十分の商談に発展することも珍しくありませんでした。

私から、「社長、3分超えましたね。まだ大丈夫ですか?」と冗談まじりに言うと、「君はめちゃくちゃだね」と笑って話を続けてくださった方もいます。

「3分だけ」という言葉は、相手に「その程度の時間なら」と思わせる心理的効果があると同時に、コミュニケーションのきっかけにもなるのです。

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吉村 恭平(よしむら・きょうへい)
Reverent代表取締役社長
1989年、福岡県京都郡苅田町生まれ。大学卒業後、大手上場飲食企業に入社。すぐに店長に抜擢されるも、「社内の営業職に就きたい」との強い思いから、わずか4カ月で退職。その後、営業の最前線である大手通信営業会社に転職。入社3カ月で「これで九州を任せる」と電話1本を渡され、テレアポによる法人営業を開始。最初は失敗続きだったものの、アポが取れる時間帯や決裁権者への突破法など独自のノウハウを確立。その結果、大手企業の社長と面談を重ね、24歳にして月1000万円の利益を達成。九州支店の最年少所長に就任。その後、ヘッドハンティングを受けて外資系大手生命会社へ転職。前職で培ったテレアポ術を活かし、入社2年で年収1000万円、3年目にはプレイングマネジャーとして年収2000万円を達成。2023年、株式会社Reverent(リバレント)を設立。保険代理業を中心に業績を伸ばすかたわら、テレアポ術を伝える講師としても活動。
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(Reverent代表取締役社長 吉村 恭平)