画像ファイルフォーマットのひとつであるPNGが、22年ぶりに新仕様となる第3版を発表しました。この第3版ではハイダイナミックレンジ(HDR)やアニメーションPNG(APNG)、Exifがサポートされています。

PNG is back!

https://www.programmax.net/articles/png-is-back/



◆HDRのサポート

以下の画像は人間の目が認識できる色を示したもので、内側にある小さな三角形(黒線)はほとんどの画像の色空間を表したもの、大きな三角形(点線)はHDR画像の色空間を表したものです。



PNGはHDRをサポートすることで、4バイト(通常のPNGチャンクのオーバーヘッドを含む)のみ使用します。

なお、PNGのオリジナル開発者のひとりであり、新しいPNGの仕様策定に貢献したテクニカルディレクターのクリス・ライリー氏が、自身のブログ上でPNGのHDRサポートについてより詳細な技術的解説を行っています。ブルーム氏はライリー氏の技術解説ブログのページ中段で登場する「耳の生えた白いマスコットキャラクターが25というロウソクが立てられたケーキを眺めている画像」が、PNGがHDRをサポートすることで色鮮やかなピンク色が表現できるようになったことをわかりやすく視覚的に表現できているとアピールしているので、気になる人はチェックしてみてください。

cICP in PNG, explained • Chris Lilley

https://svgees.us/blog/cICP.html#introducing-cicp



◆APNGのサポート

APNGはMozillaが提案したもので、発表当初は同組織の開発するFirefoxでサポートされていたものの、他のプラットフォームではあまりサポートされていませんでした。しかし、記事作成時点でAPNGは広くサポートされているため、「PNGが公式にサポートするのに適したタイミングとなった」とPNGの仕様を策定するW3C PNGワーキンググループの議長を務めるクリス・ブルーム氏は言及しています。

◆Exifのサポート

デジタルカメラで撮影した画像に、撮影日時やカメラの機種、レンズといった情報や、撮影時のシャッタースピード、絞り値、ISO感度といった設定などのメタデータを記録するための規格がExifです。PNGもついに公式にExifをサポートしました。

この他、誤植の修正や仕様の明確化などが行われています。



ブルーム氏によると、各種技術の標準化を推進するW3CのTimed Text Working Group(TTMLおよびWebVTTの仕様策定を行うグループ)などは、PNGのHDRサポートを必要としていました。そのため、これまでも「PNGでHDRをサポートするために仕様をアップデートすべき」という声は上がっていたそうです。

HDRサポートなどの要望の声が高まり、気付けばAdobe、Apple、BBC、Comcast/NBCUniversal、Google、MovieLabsといった大企業とW3Cの代表者が集まり、PNGの仕様をアップデートするための取り組みは加速していったそうです。なお、W3Cはすでに次の2つのアップデートに向けた作業を開始しているとのこと。

また、Chrome、Safari、Firefox、iOS、macOS、Photoshop、DaVinci Resolve、Avid Media Composerといったプラットフォームがすでに新しいPNGの仕様をサポートしているそうです。ブラウザやOS、ソフトウェアだけでなく、テレビ局などもPNGの新仕様をサポートしている模様。

PNGは「圧縮率を高める作業」「並列エンコードおよびデコードのサポート」などに取り組んでおり、今回のアップデートと同様に確実に実現していきたいと考えているとブルーム氏は記しています。なお、ブルーム氏は次期仕様となる第4版の公開には時間があまりかからないと予想しており、第4版ではHDRと標準ダイナミックレンジ(SDR)の相互運用性の向上が計画されているそうです。その後、第5版では圧縮率の向上に関するアップデートなどが計画されています。