フットボーラーとともにインフルエンサーの顔も持つ田中。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

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 Jリーグ参入初年度の栃木シティが、J3で2位と旋風を巻き起こしている。そのなかで、結果を残しているアタッカーが田中パウロ淳一だ。今季のここまで10試合に出場し、4得点・5アシストをマークしている。

 躍動する31歳に実施した全3回のインタビューで、初回と2回目は現在の栃木シティやこれまでの選手生活について訊いてきた。

 3回に及ぶインタビューの最終回は、インフルエンサーとしての側面にスポットを当てる。田中はSNSを積極的に活用し、“バズる”ことも多く、注目を集めている。SNSに関して、どのように考えているのか。

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――SNSへの投稿がたびたび話題になっています。本格的に始めた時期は?

 山口に所属していた2020年です。新型コロナの影響での試合延期がきっかけでした。山口のファン・サポーターの方に向けて始めました。
【動画】Jが注目! 田中パウロ淳一のプレー集!
――23年には、パウロ選手がボールキープのコツを指南するものの、ヘニキ選手にあっさりと吹き飛ばされる動画が、TikTokとJリーグによる公認ショートムービー企画 「TikTok Cup 2023」で、スキル部門賞を受賞しました。

 ヘニキは強そうなヤツで、弱そうな僕と比較すると面白いとよく言われていて。動画の再生数が伸びれば栃木シティが話題になると期待し、めっちゃ考えましたね。

 僕は(2012年にプロキャリアをスタートさせた)川崎に在籍していたため、ピッチ外での活動の重要さを感じています。

――川崎は、選手による仮装や商店街訪問など、積極的な活動に定評がありますよね。

 見えるもの全部、という感じですね。ピッチ外でもファン獲得につながるのなら、目に見えるもの全部に関わる必要があるというのは、川崎で学びました。

 印象的なエピソードもあります。川崎の頃に参加したゴミ拾いイベントを、僕は正直、覚えていなかった。ただ10年くらい経った(21〜22年に在籍した松本)山雅の時に、ファンの方から「あの時、ゴミ拾いを一緒にしたんですよ。それから応援しています」と言われました。

――また、サッカー未経験なのにめちゃくちゃ上手な女の子“パウ子ちゃん”に扮した「トラップが小野伸二のような彼女」が大バズりされましたね。

 ナチョスさんという芸人の方が野球でやっていて、サッカーでもできると思いました。それプラス、海外の方ではなく日本人の方に見てもらいたくて、すごくキャッチーなのは小野伸二さんだったんです。

 ホームスタジアムのCITY FOOTBALL STATIONで撮影しているので、栃木シティを感じてもらいたい意図もありました。

――改めて、SNSへの想いを聞かせてください。

 多くの人に見に来てもらえるためには、知名度が必要だと、ずっと思っています。

 栃木シティは、僕のSNS活用にとても協力的です。「もっと、こうした方がいいんじゃない?」とか。「もっとやれ!」という感じで、アイデアをチームメイトからもらうこともありますし、僕もトレンドをひたすら見ています。
 
 そのなかで、スタンスは少し変わりました。サッカーに集中していないと思われないような見え方にしたり。以前は再生数が伸びたらいい感じでしたけど、今は栃木シティを見てもらうために、誰に届けたいかが明確になりました。SNSが悪いものにならないように意識しています。 

――最後に、インフルエンサーの顔も持つサッカー選手として、今後の目標を聞かせてください。

 Jリーグに戻ってこられたのは、栃木シティに来たからこそ。その恩を返したいので、チームをJ2に上げるためにSNSを使いたいです。

 JリーグSNSでも多く扱っていただいています。今後は、より加速していきたい。今はメリットをすごく感じているので、この勢いを止めないように、今後も頻繁に投稿していかないといけないですね。

※このシリーズ了。

取材・文●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)