豊洲のマンション、修繕積立金が安すぎる？平均データから見えた″将来の不安″とは

東京湾岸エリアのなかでも人気の高い「豊洲」。
今回、マンション管理のプロであるさくら事務所 取締役副社長COO 山本直彌さんと、売買現場を知り尽くすらくだ不動産の鈴木さんが、豊洲エリア【14棟】のマンション管理費と修繕積立金を徹底分析しました。

【1】豊洲の平均単価は意外と“安い”

さくら事務所の調査によると、豊洲エリアで調査対象となったマンション（平均築年数【13年】）の平均管理費は【1平米あたり274.8円】、修繕積立金は【192.9円】という結果に。

「最近の新築マンションでは、平米【400円】台も珍しくない」と語るらくだ不動産の鈴木さんからすれば、「想像より低い印象」とのこと。

しかし注意が必要なのは、「安さ＝良い」とは限らないという点です。

【2】“安すぎる”積立金が招く将来不安

修繕積立金が【1平米95.7円】という最低水準の物件も確認されています。
これについてさくら事務所 取締役副社長COO 山本直彌さんは「将来的に積立金の“急上昇”が避けられない」と警鐘を鳴らします。

「湾岸エリアのマンションではないですが、築30年近い物件で今なお100円台前半というケースも。将来的に一気に値上げされるリスクが高く、それが“価格の安さ”の裏に隠れているケースもあります」と指摘。

【3】“高い管理費”でも納得できるマンションとは？

一方で、管理費が【399円】という高価格帯のマンションも存在。

しかしこのような物件では、「クリスマスツリーや季節のイベントなど、居住者満足度を高める工夫がなされている」とらくだ不動産の鈴木さんは評価します。

金額の多寡ではなく、「何にお金を使っているか」を見ることが大切だというメッセージです。

【4】“数字の裏側”を読み解くプロの視点

最も印象的だった事例として、管理規約に「将来の積立金改定スケジュール」が明記されているマンションも紹介されました。

こうした物件では「購入時点で将来の出費が見通せる」ため、買主にとっても安心材料になります。

実際にらくだ不動産の鈴木さんは「購入・売却ともに毎年数件の取引がある人気マンション」として紹介しています。

【まとめ】

マンション購入を検討する際に注目すべきは、「今の金額」だけではありません。
・将来的な修繕計画
・管理の質と内容
・数値の根拠や変更履歴

こうした“見えにくい要素”を把握することで、資産価値を維持しやすい物件選びができます。

不動産のプロたちは「安さ」だけでなく、「何にどう使っているか」という“お金の使い道”に注目しているのです。