『ガンニバル』後藤家一族集結試写会上映後イベントに登壇したキャスト陣

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 ディズニープラス スター オリジナルシリーズ『ガンニバル』の“後藤家一族集結試写会”が4月11日に東京アキバシアターで行われ、上映後のアフタートークに笠松将、杉田雷麟、米本学仁、中村祐太郎、澤井一希、大塚ヒロタ、須森隆文、林田直樹、久野みずき、岩瀬亮、岡村英樹が登壇した。

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 第7話の先行上映に続いて会場に笠松が登場し、名前を読み上げると後藤家キャストが次々と登壇。笠松の進行によるクロストークでは、後藤家の印象について、唯一の“部外者”である河口尊を演じた岩瀬から「怖い。撮影中ホテルが一緒だったんですけど、撮影から帰ってくるとロビーに輩みたいなのがたまってて、ホテルに入るのが嫌だなと。すごい楽しそうにしてて、今日もこのノリに乗れるか心配です」と率直な思いが告げられる中、お構いなしにイベントは進行した。

 後藤家のロケ地は全国に分散しており、屋敷は兵庫で、庭は長野、墓参りは静岡でケンカは栃木でするなど、ロケーションへのこだわりが半端ない。後藤家の双子の兄弟、太一と陽二を一人二役で演じた大塚によると「行ってみたら納得する、唯一無二のものがあった」そう。笠松によると、釣りの好きな大塚はグループLINEに釣った魚をアップ。盛り上がった一同が酒を持って集まったが、実際はちっちゃい魚で、気を利かせた笠松が魚の刺身を買ってきた結果、釣った魚が余ってしまったエピソードを紹介し、大塚も苦笑いしていた。

 撮影関連では、米本は真冬の新潟での撮影を回顧。「我々が行く前に、ふだんは道路で使われているトンネルが雪で閉鎖して使えることになって、前日まで除雪車で道を作って、ベースキャンプみたいなものを作っていたのに、一晩雪がめちゃめちゃ降って、全部それが潰れたんです。翌日、入り時間で待機していたのは、もう一度作り直していたから」と苦労話を明かした。

 杉田は主演の柳楽優弥のエピソードを紹介。「柳楽さんは優しいんです。でも怖いときがあって、車のシーンで銃口を突きつけて『殺すぞ』みたいな。でもめちゃくちゃ優しいので、始まる前に『ごめんね。銃身当たってるね』って言ってたのに、会った瞬間に『殺すぞ』というスイッチが入るのがすごかった」と役者の真価を見せつけられた。

 本当の顔といえば澤井。“あの人”と呼ばれる白銀を演じた澤井は、「シーズン1はワンポイントリリーフみたいな感じだったんです。一番最初はメイクが3、4時間かかって、現場が終わってメイクを落として帰ると誰もいないんです。ほぼ素の顔で会うことがなかったんですが、シーズン2で会うようになって、そこから“あのちゃん”って呼ばれるようになって、めっちゃうれしかった」と笑顔を見せた。

 後藤秀実役の林田は「バー・リンダ」の名称で自前のバーを開設。「長い間泊まったりすると、近くの店が終わってる時間の撮影があったりするので。自分が飲みたいのもあって、部屋がちょっと広かった」ということで親睦のきっかけになった。バーの営業後にホテルの外で月を見ていたのが須森で「仲良し」な後藤家の面々に目を細めた。

 後藤スミ子役の久野は、凄惨なシーンの合間でギャルピース。「笠松さんが携帯を構えていたから」と弁解する久野は、笑いじょうごで現場をなごませた。後藤家エキストラとして出演した岡村はブラザーと呼ばれて親しまれているが、米本と「デカすぎる2人」ということで命名。シーズン2から参加した感想を聞く笠松に、「シーズン1からです」と訂正し、笠松が崩れ落ちる一幕もあった。

 キャストの証言から明らかになったのは、片山慎三監督の細部にわたるこだわり。笠松も「なんであんなにこだわれるんだろうなあ。ぶっちゃけ空気を読めない行為だし、自分もある意味そうなっていかないといけない」と感じ入った。笠松はシーズン2で監督と信頼関係を築くことに成功。「第8話の僕のラストシーンで、台本に書かれていないけど、『実際に恵介がやったことを考えるとこうなるから、今までの解釈をいっきに変えてください』と言われて、それがそのシーンにつながっているんですけど、『これが演出なんだ』って思うくらい本の読み方が変わった。僕の中でけっこう大切なシーン」と振り返った。

 中村は片山の秘話を紹介。「シーズン1のあの人とすみれ(北香那)のシーンで、片山さんが『なんかさ、俺が撮ってるって感じじゃなくて、誰かに操られてる感じなんだよね』と言っていた。演出はみんなの空気もあるし、プロデューサーとかも見てるわけじゃん。それを聞いたときに監督も大きい作品を濃いメンツでやるのは不安なんだなと思ったけど、みんなの話を聞くと、そこから懐柔して作品をものにして、だから最後に恵介の演出を伝えたのも腑に落ちた」と片山監督の手腕に感嘆した。

 さらに米本が「これぐらいの規模感の作品をディズニーのど真ん中でやるってなったとき、あまり使われないキャストだと思うんですよ。もっと顔の知れている、安心して見れる人を使うと思うけど、これだけ飛び道具みたいな人たちを並べたのはこだわりそのものだし、実現するのはなかなか難しいことで感謝してる」と今作の挑戦を称えた。

 笠松は「取材でも言っているんですけど、柳楽優弥と共演するのは緊張感があったし、これでダメだったら、自分の芝居人生はどうなるんだろうという思いでみんな集まった。逆にここで柳楽さんを食ってやるという気持ちで挑んだから、すごく良いものができた。戦って、それを柳楽さんも受け入れてくれて。そういう作品って正直そんなにないから、こうやって仲良く喋れたり、くだらない話や熱い話もできる」と宝物のような撮影に感謝した。

 大塚も「シーズン1でキャスティングが決まって、後藤家で顔合わせのリハーサルをしたときは、全員ほとんど面識がないぐらいの状態。リハーサルではみんなバチバチで、ここで一発かましてやろうっていう感じだった。シーズン2で一気に仲良くなって、後藤家はアンタッチャブルな存在だけど、今見るとめっちゃ仲いいし、この感じは来週続きを観るときは忘れていただかないと」と役本来の関係と違うことを補足した。

 今回のイベントは笠松の発案。「正直、僕たちってスターではなくて、でも間違いなく一人ひとりが意思と信念を持って俳優をやってる。そういう人たちと仕事ができることは本当にないからうれしかった。僕にとって大切な作品で、大切な経験」と語ると、感極まって目を潤ませた。「ここからもっと頑張って、一人ひとりが『ガンニバル』から出てきたんだと言われるくらい、いつかスーパースターになって。世界と戦える作品でいろんなものをひっくり返すパワーのある人たちだと思うから、みんなに知ってほしかった。これからも温かく見守ってほしいです」と呼びかけて、名残りを惜しみつつ散会となった。

(取材・文=石河コウヘイ)