「自分はまだ二流」プロ5年目で異例のレンタル継続の大分DF藤原優大が語気を強める「絶対的な存在にならないといけない」
2月16日の開幕戦は北海道コンサドーレ札幌に勝利して白星発進。幸先の良いスタートを切ったが、そこからの5戦はドロー先行の未勝利。勝点を伸ばし切れずに苦しんだなか、3月30日の愛媛FC戦でようやく今季2勝目をゲット。勢いを持って4月5日の大宮アルディージャ戦に挑んできた。
「プロ5年目でレンタルに出る選手なんてなかなかいないと思うし、(浦和から)期待されていると僕は感じるので、だからこそ、それに応えたいですね。
今回は浦和のホームに近い試合で、泊まったホテルも寮や(練習場の)大原に近くて、感慨深いものがあった。ウガさん(宇賀神友弥)も来てくれたんで、『今日はやってやろう』という気持ちがありました」と本人も言う。
藤原の強い思いもチーム全体を後押ししたのか、この日に大分は非常に良い入りを見せた。基本布陣は3−1−4−2だが、攻撃時は4バックにシフト。可変スタイルで大宮を押し込み、20分には縦に速い攻めからエースFW有馬幸太郎が先制点を手に入れた。
しかしながら、直後のプレーで豊川雄太に同点弾を許してしまうのが、今の大分の脆さだ。GKのロングキックをオリオラ・サンデーがつなぎ、これを受けた豊川に突破されてゴールを割られた。
内容的には大宮を圧倒しながら前半は1−1。藤原は「自分のゴールで勝ち切れるような試合を作りたい」と再び意欲を高めて後半に突入。すると、53分に左CKから見事なヘッド弾を決めてみせる。2−1とリードすることに成功したのだ。
だが、そこから大宮が藤井一志やファビアン・ゴンザレス、カプリーニら持ち駒を投入し、攻撃のギアを一気にアップしてくると、大分はズルズルと下がり、防戦一方になってしまう。76分に献上したPKはGK 茺田太郎がセーブし、事なきを得たが、その後も試合を落ち着かせられなかった。
「勝って逃げ切るというところでバタバタ感が生まれてしまう。やっぱりリーダーが欲しいなと思います」と片野坂監督も注文をつけていたが、今の大分は清武弘嗣、野村直輝の両ベテランがいないとゲームコントロール力が一気に低下する。
清武は今週の練習で負傷してベンチ外となり、この日に先発した野村も81分に下がっていたから、終盤は相手の圧を受け続ける状況に陥ったのだ。
そして迎えた後半のアディショナルタイム。大宮の泉柊椰の突破からマイナスのクロスが入り、カプリーニが左足シュート。藤原は彼の前に立って防ごうとしたが、ゴールを割られ、2−2のドローで試合は終了する。大分は“勝点2”を逃す形になったのだ。
「ここで勝点3を取れていたら、上も見えてきていたし、今日は勝てる試合だった。そういうなかで勝てないのが今のチームのレベルだし、自分のレベルでもある。3枚の真ん中でやらせてもらっているなかで最後に失点してしまうのは僕の責任。自分はまだ二流だなと感じる。この大宮で勝ちたかったです」と、背番号34は心底、悔しがっていた。
【動画】セットプレーからヘッドで流し込む! 藤原優大の今季初弾
自分が成長した姿を宇賀神氏ら埼玉の人たちに見せるというタスクも果たし切れなかった。藤原にしてみれば「いつか必ず浦和に戻って活躍する」というシナリオを描いているのだろうが、そのためには、こういう拮抗した試合で勝利に導けるCBになることが重要だ。片野坂監督の言う「卓越したリーダーシップ」を身につけたい。
「最後の時間帯はみんな焦ってたし、勝ちたいって気持ちが出ていた。でもあそこまで押し込まれてしまうと事故も起きる、守り切れるか、やられるかの確率は50%くらいだったと思います。やっぱり大事なのは、その前の段階でペナルティエリアに入れさせないこと。もっと前でプレッシングに行きたいし、下がらないようにしないといけない。それを周りに伝える自分の影響力がまだ足りない。絶対的な存在にならないといけないですね」
藤原自身も語気を強めたように、指揮官の要求をしっかりと理解している様子。ゆえに、同じことを繰り返してはいけない。
幸いにして大分はまだ今季1敗しかしていないし、ここから浮上できるチャンスはある。それをモノにすべく、藤原はさらなるレベルアップを図っていくことが肝要なのだ。今後の藤原の飛躍と大分の上位躍進を期待したいところだ。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
