25日からの週は、円高とドル安の動きが進行した。月末週に加えて週後半には米感謝祭休日があることから、前週までのドル高や円安の流れに調整が入りやすい環境となった。トランプ関税が世界的な懸念材料となっているが、この週はトランプ氏とメキシコ大統領の会談が行われ、表面的ではあるものの敵対的な雰囲気は和らいだ。トランプ関税賦課の報道で急落していたメキシコペソやカナダドルの下げは一服した。米政府と中国との半導体企業をめぐる対立も想定ほどの悪い事態にはならないとの楽観論もでた。また、イスラエルとヒズボラとの停戦が形式的にせよ成立したことも市場に安ど感を広げた。トランプトレードに突き進む動きは一休みとなっている。そのなかでは、ドル円の下げが際立っている。週明けの154円台後半から週末には149円台まで下落した。米FOMC議事録ではFOMC委員は段階的な利下げを幅広く支持していたことが明らかとなった。一方で、日銀に関しては12月利上げ観測が高まっている。石破首相が来年の春闘でも大幅な賃上げを実現することを支持した。また、きょうは東京都区部CPIの上振れ結果が、150円台割れの材料となっていた。日米金利差が縮小していく見通しがひろがっている。


(25日)
 東京市場では、米次期財務長官関連の報道でドル円が上下動。午前から昼にかけては154円台半ばから153.55付近まで下落。トランプ米次期大統領が米次期財務長官に財政規律重視派とされるベッセント氏を指名したとの報道を受け、米インフレ再燃観測が後退し、ドルが売られた。しかし、午後に入って下げ渋ると、154.40台まで水準を戻している。ベッセント氏が米紙のインタビューで「次期政権での政策優先事項はトランプ減税の実現」「ドルの基軸通貨としての維持に焦点」などとコメントしたことを受けて、買い戻しが優勢となった。ユーロドルは朝方のドル安傾向を受けて一時1.0501付近まで上昇したあと、高止まりとなった。ユーロ円は朝方に一時161.93付近まで上昇したあと、いったん上げを帳消しにする場面があったが、午後は再び円安傾向となり162円台をつけた。

 ロンドン市場では、ドル買いが先行も続かず。ドル円は東京午後の買い戻しの流れを受けて取引を開始したが、154円台後半での一段の買いには慎重だった。今週は木曜日が米感謝祭。金曜日も連休をとる参加者が多い。感謝祭ウィークは取引参加者が少なくなり、様子見ムードが広がりやすい状況。ユーロドルはドル買いが先行し、1.0440台まで軟化したが、その後は1.0490付近まで買い戻された。ユーロ円はユーロドルの軟化とともに162円付近から161.30台まで下落。しかし、売りは続かず162.10台まで反発した。欧州株や米株先の上昇などリスク選好の動きがみられた。

 NY市場では、ドル売りが優勢。ドル円は153円台に下落した。週末にトランプ氏が、財務長官人事にヘッジファンド創業者のベッセント氏を指名すると発表。ベッセント氏の起用は米経済と金融市場により安定をもたらす慎重な選択と歓迎するムードも広がり、米国債が買われ利回りが低下する中、為替市場ではドル売りの反応が出ていたようだ。ベッセント氏はタカ派な財政政策を主張しており、トランプ次期政権は財政赤字を半減させようと試みる可能性がある。一方、円は上昇の有意なきっかけを見つけるのに苦労している。植田日銀総裁は12月会合での利上げの可能性を排除していないものの、そのシグナルは円の方向性を変えるには不十分とみられた。ユーロドルは買い戻され、一時1.05台を回復する場面が見られた。ポンドドルは1.26ドル台まで買い戻されたが、動きは続かず上値が重い印象だった。ロンバルデリ副総裁の講演が伝わっていたが、「賃金上昇率とインフレ率が期待ほど急速に低下しないとの懸念がある中、英中銀は慎重に利下げを進めるべきだ」との考えを示していた。