苦しみながらも白星スタートを切った森山ジャパン。写真:佐藤博之

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[U-17ワールドカップ]日本 1−0 ポーランド/11月11日/Si Jalak Harupat Stadium

 U-17日本代表は現地11月11日、インドネシアで開催されているU-17ワールドカップのグループステージ初戦でポーランドと対戦。76分に高岡伶颯が挙げた1点を守り抜き、1−0で勝利した。本稿では、現地の取材記者によるチームや選手、監督の採点・寸評をお届けする。
【動画】左足一閃! 高岡伶颯の決勝弾
【日本代表・総評】
採点「6.5」

 苦しみながらも勝点3をもぎ取った。

 8分にGK後藤亘のフィードに抜け出した井上愛簾がGKとの1対1を迎えたが、この絶好機はポストに嫌われる。ここから相手の攻撃に手を焼き、2トップ+2トップ下を置く3−5−2で臨んできたポーランドに前から守備でハメられた。

 中盤で何度もボールをロスト。ショートカウンターをくらい、度々危ない場面を迎えた。とりわけ狙われたのが日本の右サイド。左ウイングバックのクシシュトフ・コランコなどにボールを持たれ、何度もペナルティエリアの角にボールを入れられた。

 奪い返しにいっても、取り所がはっきりせずにマイボールにできない。何度が敵陣にボールを運んでチャンスを作り出したが、徳田誉や井上などが決定機を決められなかった。

 日本は流れを変えるべく、永野修都に代えて山本丈偉を投入。すると、攻撃のリズムが良くなり、中盤でボールが回るようになった。雨が強まるなかでもスペースにボールが運べるようになり、徳田のフリックから最終ラインの背後を取れるようになっていく。

 60分からは立て続けに好機を演出。しかし、これも決め切れず、69分に豪雨の影響で一時中断を余儀なくされた。

 試合は約20分の中断を経て再開。このタイミングで投入された道脇豊、高岡伶颯のコンビが躍動し、良い流れを断ち切らずにゴールへ迫る。すると、76分に高岡がゴール前で仕掛け、ひとり外して左足を一閃。見事に決まり、均衡を破った。

 以降は相手の猛攻に晒されたが、GK後藤を中心に粘り強く守って無失点。一進一退の展開が続き、相手のシステムとのミスマッチにも悩まされたが、初戦を勝利で飾った。
 
【個人採点・寸評】
GK
1 後藤亘 6.5
パワフルなポーランドアタッカー陣のシュートを冷静に処理。後半アディショナルタイムにはクロスからフリーでシュートを打たれたが、動じずに足でセーブ。集中力は最後まで途切れなかった。

DF 
2 松本遥翔 5(90+3分OUT)
ボールを受ける姿勢は良かったものの、前半から地に足が付かなかった印象。落ち着いてボールを受けられず、パスがズレるシーンが散見。守備でもPAの角を取られ、対応が後手に回った。

DF
3 小杉啓太 6.5
「1対1で取り切れたのは小杉ぐらい」と指揮官が称賛したように、強度の高い守備は欧州の強豪国にも通用した。球際で強さを見せ、身体を上手くぶつけながら粘り強く守った。

DF
4 土屋櫂大 6
流動的なポーランドのアタッカー陣に手を焼いたが、焦れずに対応。本多とのコンビも良好で、チャレンジ&カバーを徹底し、要所を締める。ビルドアップにも積極的に関わり、正確なフィードも光った。

DF
5 本多康太郎 6.5
ポーランド戦の“陰のMOM”だ。強靭なフィジカルを駆使し、屈強な相手FW陣に対応。エアバトルでは競り負けず、気持ちのこもったプレーで完封勝利に貢献した。
 
MF
18 永野修都 5(HT OUT)
低調なパフォーマンスに終始。ボールロストを繰り返すと、パスを受けるシーンが激減。守備の強度も物足りず、ハーフタイムでピッチを退いた。

MF
7 中島洋太朗 5.5
前半は相手の勢いに飲まれ、消極的なプレーでなかなかボールを受けられなかった。しかし、後半は山本とともに攻守の繋ぎ役を全う。決勝点の場面では前方にパスを付けて起点になった。

MF
13 吉永夢希 6.5
前半は様子をうかがいながらのプレーが目立ったが、後半は持ち前の推進力を発揮。強気なプレーでサイドを駆け上がり、得意のクロスから決定機を何度も生み出した。

MF
14 名和田我空 5(69分OUT)
右サイドで孤立し、相手のタイトなマークに良さを消された。守備の負担も大きく、変則的な相手のシステムに戸惑うシーンも見られた。ボールの奪い所を定められなかった。

MF
15 徳田誉 5.5(69分OUT)
高さと跳躍力を活かし、エアバトルで優位に立つ。その一方でポストプレーの精度が低く、味方にパスを繋げない。決定機も決め切れず、ストライカーの仕事を全うできなかった。

FW
16 井上愛簾 5(81分OUT)
背後に抜け出し、速さと強さで相手を打ち負かす。しかし、決定力不足は次戦以降に向けて課題を残した。8分にGKとの1対1を外してリズムが狂ったか、その後も巡ってきたチャンスをことごとくモノにできなかった。
 
交代出場
MF    
6 山本丈偉 6(HT IN)
後半開始から出場。ゲームに上手く入り、中盤でボールを落ち着かせる役割を担う。左右にパスを散らしつつ、縦パスを付けて攻撃のスイッチを入れた。

FW
9 道脇豊 6(69分IN)
狡猾な動きで危険な位置に顔を出す。クロスに対する入り方も良く、左サイドの吉永から入ってきたボールに合わせてチャンスに絡んだ。

FW
11 高岡伶颯 7(69分IN)
俊敏な動きが光り、何度も相手ゴールに迫る。強さと速さを併せ持つ敵DFに真っ向勝負を挑み、76分に決勝点をゲット。冷静にひとり外し、利き足ではない左足で強烈なシュートを叩き込んだ。MOM。
 
MF
10 佐藤龍之介 採点なし(81分IN)
最終盤に投入されると、クレバーな守備でチームに貢献。中間ポジションから積極的にプレッシャーをかけて相手の自由を奪った。

DF
17 柴田翔太郎 採点なし(90+3分IN)
短い出場時間ながら、大柄な相手に怯まずに立ち向かってゲームを締めた。

監督
森山佳郎 6.5
立ち上がりからオープンな展開になり、相手の変則的な布陣に対応できず。それでも、交代カードを上手く使って流れを引き寄せる。高岡の投入も見事に的中し、初戦を白星で飾った。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。