【岩本輝雄】下位の横浜FCは、なぜ首位の神戸に勝てたのか? 個々が特長を発揮し始め、チームとしてまとまってきた印象だ
下位に沈む横浜FCが、ホームに首位のヴィッセルを迎えた一戦。大方の予想は、ヴィッセルの勝利だったかもしれない。でも、結果は横浜FCが2−0で完封勝ち。大きな勝点3を手にした。
試合を通じて見れば、優勢だったのはヴィッセルだったけど、横浜FCはチーム全体で粘り強い守備で対抗。身体を張って、相手の攻撃をはね返した。なかでも、久々の出場となったンドカは3バックの中央で奮闘。彼の存在は、残留争いを勝ち抜くうえでも、カギを握りそうだね。
シュートを打つ前も見事だった。パスを受けてから、巧みな身のこなしで寄せてきた山口をかわして前を向く。このプレーに象徴されるように、潮音は簡単にボールを奪われない。これはチームにとって相当に大きいよ。
ボランチでコンビを組んだ和田との連係も良かった。お互いに絶妙な距離感を保ちながら、相手にスペースを与えず、テンポ良くボールを出し入れする。攻守のつなぎ役として、彼らはよく機能していた。
勝利の可能性を高めた山下の2点目も素晴らしかった。65分、自陣からのロングボールに抜け出して、最後は相手GKの股の間を狙った冷静なフィニッシュ。自慢の快足を飛ばして、ワンチャンスを確実に仕留めた。
【動画】潮音の驚愕ミドル弾&山下の絶妙股抜き弾!
山下は前半にも決定機があった。伊藤にバックパスをしていれば、という場面で自らシュートを選択。これは惜しくも決め切ることはできなかった。
1試合で必ずと言っていいほど、見せ場を作る山下。ゴールに力強く突き進む姿勢は評価したいし、ここにパスという選択肢が増えてくれば、より怖いアタッカーになるんじゃないかな。
とにかく、スタンディングでは格上の相手を下した横浜FCは、役者が揃ってきたというか、個々がより特長を発揮し始めて、チームとしてのまとまりも高まっている印象だ。まずは残留という目標に向けて、ここからどんな戦いを見せるか楽しみだね。
【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、51歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。
