女子200&400m個人メドレー・成田実生【写真:Getty Images】

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「世界水泳カウントダウン連載」競泳開幕まであと2日―女子200&400m個人メドレー・成田実生

 水泳界の“世界一決定戦”世界水泳福岡(テレビ朝日系で中継)が7月14日に開幕した。2001年以来22年ぶりの日本開催となり、中でも注目を集めるのは競泳だ。個人種目で金メダルなら1年後のパリ五輪出場が内定する今大会。「THE ANSWER」では7月23日の競泳開幕30日前から「テレビ朝日×THE ANSWER」としてタッグを組み、様々な企画を実施してきた。

 その一つがカウントダウンでお送りする「ウルトラ連載」。出場選手のインタビューに加え、特別企画を織り交ぜながら大会を盛り上げる。21日の第32回は、女子200&400メートル個人メドレーに出場する16歳の成田実生(みお、金町SC)が登場。4月の日本選手権で同種目2冠を達成した高校2年生が、初出場で世界の最強スイマーたちに挑む。

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 競泳界の超新星・成田は初々しく、天真爛漫だ。4月の日本選手権200メートル個人メドレー。「(2つ目の)背泳ぎまでは緊張でドキドキ。(3つ目の)平泳ぎに入って優勝がどんどん近づいてきたので、フリー(自由形)は気持ちで行った感じです」。東京五輪金メダリストの大橋悠依と競り合った最終盤。「体もきつくて止まりそう。最後は無呼吸で『ダダダーン!』って」。優勝は意識していなかったが、「代表に入りたい」と一心不乱で水をかいた。

 実は優勝が決まった瞬間、電光掲示板を見て4位だと勘違いしていた。「あれ?って。あんなに競っていたのにダメだったんだって」。時間差で優勝を知り、インタビューで涙した。「緊張がほぐれて、嬉しくて」。シニアでも結果を残している16歳。すでに緊張との闘い方も理解している。

「緊張には、良い緊張と悪い緊張の2種類あると思っています。悪い時は神経質になって、硬くなってしまう。日本選手権はドキドキしたけど、マイナスな気持ちはあまりない緊張でした。ウォーミングアップの時に他のクラブのコーチに挨拶して笑顔になれたことが多かったので、そこかなーと(笑)」

 東京・淑徳巣鴨高2年。衝撃を与えたのは昨年3月、高校入学前の代表選考会だった。400メートル個人メドレーで当時のジュニア世界記録4分36秒71を叩き出し、2位に入った。8月下旬のジュニアパンパシフィック選手権2冠(米ハワイ)、世界ジュニア選手権(ペルー)はメドレーリレーを含む3冠を達成。両大会の転戦は人生初めての海外だった。

「招集所で外国人選手がいても、あまり緊張しないようにしていた」と物怖じしない。これも大きな武器。12月のジャパンオープンで2冠、今年2月のコナミオープンも2冠。日本選手権も制し、世界水泳での大躍進も期待される。

泳ぎにも独特な感覚を持つ「水面の上を泳いでいる」「スースー進んでる感じ」

 他の選手と比べれば線が細い体格。軽い体重を利用した水の抵抗が少ない泳ぎは、「水面の上を泳いでいる」と独特の感覚があるという。「バタフライは効率がいい泳ぎが見つかっていない。しっくりこない感じはあります」。バタフライの理想形は「スースー進んでる感じ」。感性は豊か。まだまだ伸びしろがありそうだ。

 取材中も顔を上向きにして話す。性格は「ポジティブだとは思います」と自己分析する一方、「けっこう泣き虫というか、泣いちゃうことは多い。悔しい時は涙が出てきちゃう」と感情的になる一面も。年明けのオーストラリア合宿では、年末に体調を崩した影響で思うような泳ぎができず。コーチの前で涙した。

「せっかくメンバーに選んでもらったのに、1日目がよくなくて2日目は泳ぎたくないと思ってしまった」。壁にぶつかり、自分を見つめ直す機会になった。

 将来は「何でも泳げる選手、4種目とも速い選手になりたい」と理想を掲げる。「カッコいい姿を見せたい。見ていて勇気をもらえる泳ぎ。最後の最後まで諦めないで泳ぎ切る姿」。中学3年だった東京五輪はテレビ観戦し、大橋が金メダルを獲得した姿に熱中。「私も2冠を達成したい」と、直後の全国中学校体育大会へ前向きに臨むことができた。

 今度は自身もそんな最強スイマーを目指す。海外勢で立ちはだかるのは、昨年世界水泳400メートル個人メドレー金メダルのサマー・マッキントッシュ(カナダ)、銀のケイティ・グライムズ(米国)だ。2人は成田と同じ06年生まれ。特にマッキントッシュは今年3月に複数種目で世界記録を叩き出した次世代最強スイマーだ。

「同い年だけど、凄すぎて同い年に見えないです。話もしてみたい。話しかけていいかわからないけど(笑)。トップ選手がたくさんいるので、一緒の組で泳いで体感してみたいです」

 チーム最年少の16歳。日本代表に入り「みんな凄い選手なので緊張しました」と笑う。取材機会が増えるなど注目度は高まっているが、「実感がない」という。

「まずは楽しみたい。緊張すると思うけど、そこで自己ベストを出していい泳ぎができれば。まだ五輪にも一回も出たことがないのであまり遠い将来まで想像できないけど、五輪で戦ってみたい。メダルを獲った選手はみんなキラキラしている。憧れるので、まずは世界選手権に向けて準備をしたい」

 たった1年前に初めて海外に行ったばかり。急成長するホープが初の世界水泳で輝きを放つ。

(22日の第33回は瀬戸大也が登場)

◆世界水泳 7月14日にアーティスティックスイミング(AS)、飛込から開幕。水球、オープンウォーター、ハイダイビングも行われる。同23日に開幕する競泳は、決勝をテレビ朝日系地上波にて最終日まで8夜連続生放送。ASはBS朝日、飛込はCSテレ朝チャンネルで生放送。

(THE ANSWER編集部)