6月に快投を見せた大谷【写真:ロイター】

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4勝&6発の6月を振り返る、投手編

 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手は、6月は投手として5試合に登板して4勝1敗、防御率1.52。29イニング2/3で38奪三振をマークしたほか、打者としては打率.298、6本塁打、17打点をマークした。投手で月間4勝&打者で月間6本塁打はMLB史上初の快挙。歴史的な1か月を送った大谷の名珍場面を振り返る。今回は「投手編」。折れたバットが生んだ危険なシーンもあった今月、奪三振ショーに完全試合男も衝撃を受けていた。

○9日(同10日)本拠地レッドソックス戦「15連敗阻止の登板で“超危険シーン”」

 打っては決勝の12号2ランを放ち、投げても7回4安打1失点でチームの連敗を「14」でストップさせた大谷。マウンドでは“超危険シーン”もあった。0-0の2回1死三塁。99マイルの速球で左打席フランチー・コルデロのバットは真っ二つ。すると、尖った破片がマウンドに向かって飛んで行った。大谷は打球方向を見ていたこともあり、気付いていない。

 あわや直撃だったが、頭をかすめるように破片は落ち、驚きの混じった苦笑いを浮かべたが、これには球審もまるで自分が当たりそうになったかのようにビクリと体を動かしていた。実際の映像を公開した米ポッドキャストメディア「ジョムボーイ・メディア」公式ツイッターは「ショウヘイの頭が串刺しになりそうだったが、それでも彼はチャーミングにいなした」と紹介していた。

○22日(日本時間23日)本拠地ロイヤルズ戦「8打点→13Kに完全試合男も衝撃」

 前日21日の同戦で3ラン2発を含む8打点と大暴れした大谷。延長11回までDHでフル出場した翌日のこの日は奪三振ショーを見せた。魂の108球でMLB自己最多の13K。8回2死で対戦したエマニュエル・リベラには、外角スライダーを投じて見逃し三振に仕留めたが、大きく曲がるボールにリベラは体を少しのけ反らせるほど。ファンは総立ちで拍手を送った。

 8回2安打無失点で6勝目。チームの連敗を止めた大谷には、2010年にアスレチックスの投手として完全試合を達成しているダラス・ブレイデン氏も称賛を送った。ツイッターに「(大谷と比較して)ジャッジがやっていることは、昨年ゲレーロがやっていたことくらい可愛く見える。覚えているよね?」と、現在本塁打数で両リーグトップを独走するアーロン・ジャッジ(ヤンキース)すらMVPレースでは及ばないと記していた。

○29日(同30日)本拠地ホワイトソックス戦「11K生んだ急降下の一球に米識者も注目」

 今季7勝目を挙げたこの試合は初回、ピンチを迎えながらもアウト3つは全て三振で奪った。注目は2番モンカダに2-2から投じたスプリット。ストライクゾーンからストンと落ちた一球に、モンカダは片足を地面につけるようにしてバランスを崩し、空振りを喫した。

「ピッチングニンジャ」の愛称で知られる米投球分析家ロブ・フリードマン氏は、実際の映像をツイッターに公開。「ショウヘイ・オオタニ、えげつない88マイル(約141.6キロ)のスプリット……ひざまずけ」と文面に記した。結局この試合は6回途中まで投げて11奪三振。連続無失点も21回2/3まで伸ばした。

 打者として6月は打率.298、6本塁打、17打点。OPS.972と活躍した。投手としても月間4勝とチームを投打に支えた二刀流には、月間MVP受賞の期待もかかる。

(THE ANSWER編集部)