「この人痴漢です!」と言われたらどうすればいい? 駅長室はこんな場所!
「この人痴漢です!!!!」(声を荒らげる女性)
「この野郎、逃げるなよ!」(周囲にいる正義感の強い男性)
見ず知らずの女性に腕をつかまれ、正義感に駆り立てられた男性に押さえつけられる。「いったい何のことですか!」と叫んでも誰も聞いてはくれません。その身柄は駅員に引き渡され、その後、警察へ移送。その後は長期勾留が待っています。会社はクビになり、妻からは離婚届を突きつけられました。
何気ない日常生活の中で、われわれは突如としてトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。電車内でのトラブルなどはその典型とも言えます。しかも、各鉄道会社が「犯人」に対する対応マニュアルを用意しているようで、とばっちりを受けた方がたまったものではありません。
有無をも言わさず連行される駅長室とはどんな場所なのでしょうか。今回は駅長室に関する情報を提供したいと思います。
駅長室ってどんな場所なの?
今から10年以上前の出来事です。JR山手線で新宿駅から池袋駅に向かう際の出来事になります。当日は雨が降っていました。時間は午後8時ごろで、車内は比較的空いていたのを覚えています。私はつり革につかまっていました。池袋駅に到着すると女性に声を掛けられました。
女:カバンが当たったんです。痛いんです。
私:どこにですか?
女:“顔”に当たりました!
ちなみに、当日使用していたのはゼロハリバートンのアタッシュケースです。当たれば相当痛そうですが、私は何かにぶつけたような覚えなどありません。そのままでは車内で口論になりそうだったので、2人でホームに降りることにしました。
女:静かに話せないので駅長室行きましょう。
私:いいでしょう!!
彼女のクレームも私にとっては身に覚えのないものでした。彼女の提案どおりに堂々と駅長室に入っていきました。駅長室には駅員が1名いました。若い駅員がヒアリングを始めました。
駅:何をされたんですか?←最初の時点で違和感を覚えます。
女:この人のカバンが顔に当たって痛いんです。
私:覚えがありません。
女:痛いんです!!
私:あなた、さっきから自分でつねってますよね?
女:さすっているんです!
そう言うと、女性はおもむろにケータイ(ガラケー)を取り出しました。
まったく公平でない駅員
女:おはよーございますっ! 池袋で事件に巻き込まれました。遅刻します!(プチッ)
私:えっ、これから出勤なんですか? 遅刻しそうなのでトラブルをでっち上げたと??
女:違いますっ!!
私:雨が降っているんだから、タクシーくらい使えばいいのに。それとも、タクシー代が出ないのかな?? お気の毒にねwww(笑)
遅刻の言い訳の材料に使われようとしていることに気付いた私もついカッとなって、少しだけ挑発的な言葉使いをしてしまいました。すると、女性は、
女:ふざけんな、このタコ! ○○○×××△△△
言葉にすることもはばかるような汚い言葉を吐いて、駅長室を飛び出していきました。
<駅員の対応などを以下に整理します>
当時の私は、駅長室が「えん罪の温床」になる可能性を知りません。ただ、何らかのマニュアルは存在したと思います。駅員は最初1名でしたが、ヒアリングをしている間に4名が駆け込むように入っていたからです。逃走防止の意味もあったのでしょう。
次に駅員のヒアリングですが、まったく“中立”ではありませんでした。最初から女性に「何をされたんですか?」という聞き方だったので、強い違和感を覚えました。
マニュアルに「女性の意見を優先して聞くように」とでも書いてあるのでしょうか。気の弱い人であれば、そのまま警察署に連行されて、「終了」だったと思います。鉄道会社は、このようなマニュアルが存在するのであれば公開すべきではないでしょうか。
しかも、私が手に持っているカバン(ジェラルミン製)がどのようにして女性の顔に当たったのか、摩訶(まか)不思議ではありますが、その点について、聞き取りなどは一切ありませんでした。まったくもってふざけた対応だったように思います。
最終的にどうなったのか
この日は結局、被害を訴えた本人がいなくなってしまったので、それ以上質問されることもなく、すぐに駅長室を出ました。
釈然としなかったので、駅長室を出る前に名刺を渡し、精査した上で報告が欲しい旨を駅長に伝えました。それからかなりの年月が経過しますが連絡はありません。たまにこのことを思い出して、JR東日本にウェブから連絡していますが一度も回答がありません。
事件当日はちょうど、友人数名と会食をする予定があったので、待ち合わせ場所に急いで向かいました。参加者の1名に法律に詳しい人がいたので事の経緯を説明しました。すると、きつく忠告をされました。「駅長室に行ったら、普通はそのまま警察に連行される」ということでした。
友人はこう教えてくれました。今後、同じような場面に遭遇したら、「駅長室には絶対行ってはいけない」「警察官による任意同行には応じない」「その場、弁護士に連絡する」。警察が強硬な姿勢なら、「特別公務員職権乱用罪で訴えると主張する」などでした。
結局のところ、理由はどうであれ、駅長室に連れて行かれれば通常は“The END”なのでしょう。私は10年くらい満員電車には乗っていません。早朝はラッシュ時を避けて、早く仕事に行くようにしています。夜は混んでいたらタクシーを利用するようにしています。
自衛策としては極力、満員電車に乗らないなどの習慣も必要ではないかと思います。また、鉄道会社はこのようなマニュアルが存在するのであれば、情報を公開すべきではないでしょうか。私が受けた対応は極めて異質だったことを申し上げておきます。
昨今、男女平等が叫ばれる世の中ですが、電車内ではまったく平等ではありません。トラブルに巻き込まれないためにも、車内でも緊張感を持ち続けなくてはなりません。
